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杖を曳く
「杖を曳く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
杖を曳くの前後の文節・文章を表示しています。該当する4件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「百花園」より 著者:永井荷風
年東京市の内外に某処の新公園、または遊園地の開かれたことを聞いているが、わざわざ
杖を曳く心にはならない。それよりは矢張見馴れた菊塢が庭を歩いて、茫然として病樹荒....
「日和下駄」より 著者:永井荷風
しろかね》の古刹《こさつ》瑞聖寺《ずいしょうじ》の裏手も私には幾度《いくたび》か
杖を曳くに足るべき頗《すこぶ》る幽邃《ゆうすい》なる崖をなしている。 麻布赤坂....
「放水路」より 著者:永井荷風
、わたくしはこれに代るところを荒川《あらかわ》放水路の堤《つつみ》に求めて、折々
杖を曳くのである。 荒川放水路は明治四十三年の八月、都下に未曾有の水害があった....
「向島」より 著者:永井荷風
ならないようになってしまった。 向嶋も今では瓢箪《ひょうたん》を下げた風流人の
杖を曳く処ではなく、自動車を飛《とば》して工場の製作物を見に行く処であろう。....