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「杖柱〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

杖柱の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
け始めました。 「童貞聖麻利耶様《ビルゼンサンタマリヤさま》、私が天にも地にも、杖柱《つえはしら》と頼んで居りますのは、当年八歳の孫の茂作と、ここにつれて参りま....
籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
なんの望みもない、楽しみもない、一日も早く苦界《くがい》をぬけたい。今のわたしが杖柱《つえはしら》と取りすがるのは、お前ばかりである。一つには不実な男の顔を見返....
三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
死んだので、久松は一人|法師になってしまいました。おふくろのない後は、たゞ一本の杖柱とたのんでいた姉にも死別れて、久松はいよ/\力がぬけ果てゝ、自分ひとりの助か....
ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
、若旦那を怨んだような事を云うかと思えば……早う気を取り直してくれよ。お前一人が杖柱……なぞと夢うつつに申しておりますそうで、トント当てになりませぬ。 ――ま....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
て娑婆気な、酒も飲めば巫山戯もするが、世の中は道中同然。暖いにつけ、寒いにつけ、杖柱とも思う同伴の若いものに別れると、六十の迷児になって、もし、この辺に棚からぶ....
白金之絵図」より 著者:泉鏡花
て、われら宿の妻に罷成る、老人三十二歳の時。――あれは一昨年果てました。老の身の杖柱、やがては家の芸のただ一|人の話|対手、舞台で分別に及ばぬ時は、師の記念とも....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
うとも、それに向って、いくらかの御報捨をして下さいますが、それがないと、私は全く杖柱を失ってしまいます、衣類はどなたでも御着用なさいませ、琵琶はおそらく私に限っ....
妾の半生涯」より 著者:福田英子
、有志者諸氏の好意によりて、辛《から》くも持ち支え再び開校の準備は成りけれども、杖柱《つえはしら》とも頼みたる父上兄上には別れ、嫂《あによめ》は子供を残して実家....