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杜撰
「杜撰〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
杜撰の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「人間灰」より 著者:海野十三
の血型を持つことは絶対に出来ません。人肉の主と夫人とは全く別人です。貴下はこんな
杜撰な捜索をしていながら、なぜ僕を夫人殺しなどとハッキリ呼ぶのですか」 「ウム。....
「比較言語学における統計的研究法の可能性について」より 著者:寺田寅彦
計的方法の長所は、初めから偶然を認容してかかる点にある。いろいろな「間違い」や「
杜撰」でさえも、最後の結果の桁数には影響しないというところにある。そして、関係要....
「自然界の縞模様」より 著者:寺田寅彦
うがあまりに予定の紙数を超過するからまずこのへんで筆をおく事とする。このはなはだ
杜撰な空想的色彩の濃厚な漫筆が読者の中の元気で自由で有為な若い自然研究者になんら....
「案内者」より 著者:寺田寅彦
になっていたり、名高い料理屋を捜しあてると貸し家札が張ってあったりした事もある。
杜撰な案内記ででもあればそういう失敗はなおさらの事である。しかし、こういう意味で....
「日本楽器の名称」より 著者:寺田寅彦
に刺激されて、つい柄にない方面にまで空想の翼を延ばしたくなったようなわけである。
杜撰な考証に対してもし識者の教えを受ける縁ともならば大幸である。 (お断わり。楽....
「文士としての兆民先生」より 著者:幸徳秋水
怠らなかったのである。 故に其飜訳でも著作でも、一字一語皆出処があって、決して
杜撰なものでは無かった。彼の「維氏美学」の如き、「理学沿革史」の如き飜訳でも、少....
「科学論」より 著者:戸坂潤
デオロギー論』(白揚社)。 結局に於て時間が不足であったため、論証を省いた処や
杜撰な個処が少くない。他日訂正したいと考える。――なお参考書や文献は、機会々々に....
「思想としての文学」より 著者:戸坂潤
な啓蒙なるものの特色を説明した。これはごく簡単な覚え書きに過ぎなかったから内容は
杜撰であるが、仮にそのままの形態に於てであっても、その内に私はもっと広範な読者に....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
寧ろそれが抽象的な論理的合理性をさえ有っていないからなのだ。生硬な造語や文法的な
杜撰はその一徴表にすぎなかったので、その根柢にある観念そのものが元来、抽象的に見....
「西鶴と科学」より 著者:寺田寅彦
たいこともあるが、ここではただ表題に関係のあると思われる事項の略述に止めた。甚だ
杜撰なディレッタントの囈語のようなものであるが、一科学者の立場から見た元禄の文豪....
「稽古場にて」より 著者:岸田国士
たが、テキストレジーに十分暇をかけることが出来ず、作者にも訳者にも申訳ないような
杜撰なレジーしかできなかった。完全な訳を是非白水社版世界戯曲選集について参照されたい。....
「短歌の詩形」より 著者:寺田寅彦
自分は未だそういう方面に関する面白い発見等の話を聞いたことがない。それでこの甚だ
杜撰な比較が万一この方面の専門家の真面目な研究のヒントにでもならばと思って、思い....
「法隆寺再建非再建論の回顧」より 著者:喜田貞吉
て、それに気がついて軽率にも年代の推歩を二重に誤り、これを追記したと見るべき程の
杜撰なものであってみれば、これを以て日本紀の記事を訂正せんとするが如きは、思いも....
「新童話論」より 著者:小川未明
、今後必ずや発達しなければならぬ機運に置かれています。いまの児童の読物のあまりに
杜撰なる、不真面目なる、そして調子の低きなどは、児童の人格を造る上に幾何の影響あ....
「昆布とろ」より 著者:北大路魯山人
り方々で売ってないということになる。東京人の舌は、そう言ってはわるいが、すこぶる
杜撰なものである。落着いた味、静かな味、淡い味を知るには、あまりにも荒っぽすぎる....