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杜松
「杜松〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
杜松の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「新世帯」より 著者:徳田秋声
した。 門のうちに、綺麗な腕車が一台|供待ちをしていた。 お作はこんもりした
杜松の陰を脱けて、湯殿の横からコークス殻を敷いた水口へ出た。障子の蔭からそっと台....
「黴」より 著者:徳田秋声
赤子を抱いて、そっと裏へ出て見た。そして板囲いのなかをあっちこっち歩いて見たり、
杜松などの植わった廂合いの狭いところへ入って、青いものの影を見せたりした。赤子は....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
途上、備後鞆の浦を過ぎて詠んだ三首中の一首である。「室の木」は松杉科の常緑喬木、
杜松(榁)であろう。当時鞆の浦には榁の大樹があって人目を引いたものと見える。一首....
「杜松の樹」より 著者:グリムヴィルヘルム・カール
りましたが、どうしても出来ませんでした。 さてこの夫婦の家の前の庭に、一|本の
杜松がありました。或る日、冬のことでしたが、おかみさんはこの樹の下で、林檎の皮を....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
、犯罪の筋道はちゃんと立つ)貝十郎は歩いて行った。 木曽の五木と称されている、
杜松や羅漢柏や椹や落葉松や檜などが左右に茂っている。山腹の細道は歩きにくく、それ....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
翁なども句に詠んでいる。 雲雀より上に休らう峠かな 木曽の五木と称されている、
杜松や扁柏や金松などが、鬱々蒼々と繁ってい、昼なお暗いところもあれば、カラッと開....
「野萩」より 著者:久生十蘭
《みき》さん」 「知ってるわ。幹|利吉雄《りきお》さん」 「あのひとのお嬢さんの
杜松《ねず》さんと、巴里でおなじキャンプにいたんだが、横浜で焼けた幹さんの疎開先....
「漁師」より 著者:マクラウドフィオナ
ていた。ある時どこかの山の峡を石ころが滑りおちてはげ山の斜面を滑りはりえにしだと
杜松《ねず》の乱れた茂みに落ち込んだとしても、また或るとき、一羽の鷲が自分の巣の....
「ユモレスク」より 著者:久生十蘭
みき》さん」 「ええ、知ってるわ。利吉雄《りきお》さん」 「あのひとのお嬢さんの
杜松子《ねずこ》さんと巴里でおなじキャンプにいたんだが、横浜で焼けた幹さんの疎開....
「茸をたずねる」より 著者:飯田蛇笏
った猿麻※がしろじろと見ゆるばかりである。長く下ったものは一尺余りもある。手近の
杜松の枝などから毟り取って見ると、すぐに其処へ捨てようと云う気になれない。少くと....