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束ね髪
「束ね髪〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
束ね髪の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「毛の指環」より 著者:宮本百合子
ローズ》カットが施こされていて、直径五分ばかりのものだ。紅玉色の硝子は、濃い黒い
束ね髪の上にあった。髪の下に、生え際のすんなりした低い額と、心持受け口の唇とがあ....
「伸子」より 著者:宮本百合子
間じゅう、あちらの部屋に坐っているとそれは綺麗でしたよ、早く来れば見られたのに」
束ね髪だが、こめかみのところで鬢の毛が張り出し、古典的な横顔に美しい趣を添えてい....
「原爆詩集」より 著者:峠三吉
カトリックに通い、あんまを習い、すべての遍歴は年月の底に埋れて ある冬近い日暮れ
束ね髪の新しい妻に手をひかれた兵隊服の姿を電車の中から見た 〈ここはどこ、どんな....
「大正女流俳句の近代的特色」より 著者:杉田久女
話しあく みさ子 夏瘠や粧り濃すぎし引眉毛 和香女 夏瘠や頬もいろどらず
束ね髪 久女 桜餅をふくみ靨を頬にきざむあどけなさ。一句の中心は季題の桜餅....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
って咲いていたと申しましたっけ。 ――杜若の花を小褄に、欠盥で洗濯をしている、
束ね髪で、窶々しいが、(その姿のゆうにやさしく、色の清げに美しさは、古井戸を且つ....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
身代りの鬼夜叉が館へ火をかけて、炎の中で立腹を切った処でさ。」 「ああああ、」と
束ね髪が少し動いて頷く。 「月に一度、霊岸島から五十石積が出るッてますが、三十八....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
手内職にした、その頃の、ごしんぞ、女房、娘。円髷か、島田か、割鹿子。……やつれた
束ね髪ででもありましょうか、薄暗い行燈のもとに筆をとっている、ゆかしい、あわれな....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
にちがいない。 朱実の面も、見ちがえるほど、痩せている。それに、髪も埃のままの
束ね髪で、木綿筒袖の、見得も風もないのを裾短に着、腕には重たげな手籠をかけ、口達....