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「束縛〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

束縛の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
疑惑」より 著者:芥川竜之介
たのでございます。が、あの大地震のような凶変《きょうへん》が起って、一切の社会的束縛が地上から姿を隠した時、どうしてそれと共に私の道徳感情も亀裂《きれつ》を生じ....
或る女」より 著者:有島武郎
どうせい》してから半か月もたたないうちに、木部はややもすると高圧的に葉子の自由を束縛するような態度を取るようになった。木部の愛情は骨にしみるほど知り抜きながら、....
或る女」より 著者:有島武郎
だろうと考えると、あなたをわずらわさなければ一歩を踏み出す力をも感じ得ない自分の束縛を呪《のろ》いたくもなります。同時にそれほど慕わしい束縛は他にない事を知るの....
初めて見たる小樽」より 著者:石川啄木
はとうていできぬであろう。自由に対する慾望とは、啻《ただ》に政治上または経済上の束縛《そくばく》から個人の意志を解放せむとするばかりでなく、自己みずからの世界を....
十八時の音楽浴」より 著者:海野十三
ん」ペンはすこし当惑げな顔つきだった。 「うんじゃないよ、ペン公。俺たちの自由が束縛され個性が無視されているんだ。本来俺たち人間は、煙草もすいたいんだ。酒ものみ....
最終戦争論」より 著者:石原莞爾
だと思いながら、やむを得ず、やらざるを得なくなって、やったのです。それが、地形の束縛に原因する決戦強制の困難を克服しまして、用兵上の非常な自由を獲得したのみなら....
深夜の市長」より 著者:海野十三
しちゃいけないよ。僕はいつも正義の味方なんだからネ……もともと私は、人間の活動を束縛するような科学器械を作ることを好む者ではない。しかしこれを一足お先に自分の手....
闖入者」より 著者:大阪圭吉
ひそかに観察してみた。が、これとても何の得るところもなく終った。 大月の巧妙な束縛を受けて、鎖のない囚人のように岳陰荘にとどめられた金剛はと云えば、割に平気で....
鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
又もお化け鞄も共に自分の手に入れ、それを奇竜丸に持ち込んだばかりか、秋草の自由を束縛してこの船に乗せてしまったことが分った。それから後はずっと海上生活をしていた....
世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
のでもなく、また太陽や、月や、星に依っても満たされるものでもない。それは何物にも束縛されずに、あらゆるところに沁み込んで、物体から分子を、分子から原子を分裂させ....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
を認められない。かの徒らに地上生活を陰惨ならしめ、徒らに魂の発達を阻害する人為的束縛は、肉体の消滅と同時に、跡方もなく断絶する。之に反して、魂と魂との一致により....
歯車」より 著者:芥川竜之介
違いなかった。恐らくは僕の子供たちも、――しかし僕はそこへ帰ると、おのずから僕を束縛してしまう或力を恐れずにはいられなかった。運河は波立った水の上に達磨船を一艘....
一利己主義者と友人との対話」より 著者:石川啄木
B 何故ってそうじゃないか。第一こんな自由な生活はないね。居処って奴は案外人間を束縛するもんだ。何処かへ出ていても、飯時になれあ直ぐ家のことを考える。あれだけで....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
語るに足ると思込み、その報酬は漸く東京の一家を支うに過ぎない位であったが、極めて束縛されない寛大な条件を徳として、予ての素志を貫ぬく足掛りには持って来いであると....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
を通報すべき」旨が国王より命令せられ、ここに参謀総長は軍令につき初めて陸軍大臣の束縛を離れたのである。しかも陸軍大臣ローン及びビスマークはこれに心よからず、普墺....