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「杣人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

杣人の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
梓川の上流」より 著者:小島烏水
をした、姫は父を失い、母にはぐれ、山路に行き暮れて、悩んでいるのを、通りがかりの杣人《そまびと》が案内を承ると佯《いつ》わり、姫を檜に縛《いま》しめ、路銀を奪っ....
十二支考」より 著者:南方熊楠
《くに》にも諸職各々|忌詞《いみことば》あって、『北越雪譜《ほくえつせっぷ》』に杣人《そまびと》や猟師が熊狼から女根まで決して本名を称《とな》えぬ例を挙げ、熊野....
白蟻」より 著者:小栗虫太郎
。それほど、その二人の男には密林の形容が具わってきて、朴訥《ぼくとつ》な信心深い杣人《そまびと》のような偉観が、すでに動かしがたいものとなってしまった。 した....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
しないものはなかった。言って見れば、この地方の遠い古は山にたよって樵務を業とする杣人、切り畑焼き畑を開いて稗蕎麦等の雑穀を植える山賤、あるいは馬を山林に放牧する....
十二支考」より 著者:南方熊楠
これややもすれば樹枝に坐して手を拱《きょう》し礼拝の態を為《な》すに基づく。さて杣人《そまびと》一日山に入りて儲けなく、ちょっと入りて大儲けする事もあればこれも....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
模の山中に、異様な物鳴りがあって、時ならぬ時、笛や太鼓の物の音が、里人や、猟師、杣人《そまびと》を驚かしつづけたことを。 現に兵馬も、その驚かされたうちの一人....
案内人風景」より 著者:黒部溯郎
日本アルプス探険時代ともいうべき頃の登山者たちは、概ね、猟師とか、岩魚釣りとか、杣人の類か、または、かつて陸地測量部の人夫として働いた事があるというような人を、....
山の人生」より 著者:柳田国男
の方には拡がっている。信州木曾辺はことにこれを説く者が多い。出羽の荘内の山中でも杣人がこれを拾ってきて、小屋の入口の柱に吊して置くと、夜のうちに持って還ったか、....