来往[語句情報] »
来往
「来往〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
来往の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「桶狭間合戦」より 著者:菊池寛
聞いて、忽ち顔の色を和げたと云うことである。地方の大豪族である処から京の公卿衆が
来往することが屡々であったらしく、義元の風体も自から雅かに、髪は総髪に、歯は鉄漿....
「光と風と夢」より 著者:中島敦
まって来るのか、彼にも分らないのだ。 武装兵の行進、諸|酋長《しゅうちょう》の
来往、漸《ようや》く繁し。 六月二十七日 街へ下りてニュウスを聞く。流説紛々。....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
一 宮重大根のふとしく立てし宮柱は、ふろふきの熱田の神のみそなわす、七里のわたし浪ゆたかにして、
来往の渡船難なく桑名につきたる悦びのあまり…… と口誦むように独言の、膝栗毛五....
「辞典」より 著者:戸坂潤
とっては、弁証法なるものは、アリストテレスなどでもそうであり、又その言葉自身が元
来往々そう使われて来たように、論理の云わば消極面、否定的な面を云い表わすもので、....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
柄《がら》よし。幸いの好天気、まことに押すな押すなの人出である。
警護の者が往
来往来と人を払ってくるうちに、だんだんと曳《ひ》いて来る三十番雉子町の花車《だし....
「現代忍術伝」より 著者:坂口安吾
。ここが伐採本部で、石川組作業場という白ペンキ塗りの木杭が立っている。トラックの
来往はげしく、活気が溢れている。 石川親分、現業員に敬々しく迎えられて、ちょっ....
「我が人生観」より 著者:坂口安吾
を結ぶ古城の下 時に登る古城の上 古城は疇昔にあらず 今人おのずから
来往す 年老い、ひとり古都の地に結廬して往昔をしのび物思いにふけり憂さを酒にま....
「大捕物仙人壺」より 著者:国枝史郎
なかった。つまりぞっこん惚れ込んだのであった。 こういう男女の落ち行く先は、古
来往来同一である。夫婦になれなければ心中である。 驚いたのはお琴であった。 ....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
ずこともなく聞く絃声流るるに似て清し。月あれども地上の光天をかすめて無きが如く、
来往の船は自ら点す燈におのが形を示し、棹に砕けてちらめく火影櫓行く跡に白く引く波....
「江戸芸術論」より 著者:永井荷風
ひろびろ》したる水上より花間《かかん》を仰見《あおぎみ》て、僅《わずか》に群集の
来往《らいおう》せるさまを想像せしむるに過ぎず。さればこの水上にも妓《ぎ》を載せ....
「向嶋」より 著者:永井荷風
《ものう》し 都人何雑沓 都人《とじん》何《なん》ぞ雑沓《ざっとう》して
来往無昼夜
来往《らいおう》すること昼夜《ちゅうや》を無《なみ》するや 或連....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
して病苦を脱せしむることあたわず。上帝を信ずるものと信ぜざるものと、苦楽の境裏を
来往するに寸分の差等あることなし。ゆえに、人をしておのずから上帝の威徳を怪しみ、....
「西航日録」より 著者:井上円了
あらざるべし。市街縦横に電車を通し、電線あたかも蛛網のごとし。しかしてその線下に
来往する人は、蟻のごとく見ゆるなり。よって余は、 蛛の巣で蟻を運ふやダーブリン ....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
早朝、歩を市街に散ずるに、救世軍の一行(みな婦人)、各街角に銭函を携えて佇立し、
来往の人に一ペンスずつ恵与を請う。懐中の銅貨たちまち空となる。また、犬の背上に銭....
「東西相触れて」より 著者:新渡戸稲造
所を迂回しても弐百哩位なもので、その間は幾多の島つづきであって、小舟を以て自由に
来往される。ダーダネルの海峡は遠い所で五哩、近い所は拾四町。 ただに地理上欧亜....