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「来手〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

来手の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
護婦みたような女がいいでしょう」 「看護婦みたような嫁はないかって探しても、誰も来手《きて》はあるまいな」 僕が苦笑しながら、自《みずか》ら嘲《あざ》けるごと....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
ようなところは、無茶じゃないかい。後で聞くと、飛行機乗りと潜水艦乗りとは、お嫁の来手がない両大関で、このごろは飛行機乗りは安全だという評判で大分いいそうだが、潜....
わが町」より 著者:織田作之助
えば、義枝の歳に直ぐだった。しかも、そういう縁遠い小姑が二人もいては、敬吉に嫁の来手もあるまいと二十九歳の敬吉の独身までが目立ち、商売とちがって、ここでは彼の若....
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝」より 著者:三遊亭円朝
ねえかと云われ、忰も驚いて帰り、手分をして諸方を捜したが、一向に知れず、七年|以来手紙も来ねえからひょっと船でも顛覆えって海の中へ陥没ってしまったか、又は沢山金....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
ろこんでおいでのようだよ。」 家にはこの継母があり、妻があり、吉左衛門の退役以来手伝いに通って来る清助がある。半蔵は往復七日ばかりの留守を家のものに頼んで置い....
」より 著者:島崎藤村
地でも骨の折れる仕事ですからね。あの笹刈りがあるために、他からこの土地へおよめに来手がないと言われるくらい骨の折れる仕事ですからね。太郎さんもみんなと一緒に、威....
駆逐されんとする文人」より 著者:内田魯庵
的反覆である。文人も亦生活の鞭に引叩かれる為め千篇一律の著述をする事はするが、本来手の仕事でも足の仕事でも眼の仕事でも口の仕事でもなく、一つ/\が尽く頭脳の中枢....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
たかも分らない。そうすると、名所だ、と云う、浦の、あの、子産石をこぼれる石は、以来手毬の糸が染まって、五彩|燦爛として迸る。この色が、紫に、緑に、紺青に、藍碧に....
源氏物語」より 著者:紫式部
い人であると少女らしいお心にお思いになり、打ち解けておしまいになった。 これ以来手紙が通うようになって、友情が二人の夫人の間に成長していった。書信でする遊び事....
お女郎蜘蛛」より 著者:宮本百合子
まわりを這わせたりして居た。その時もお龍は自分のひざの上を歩るかせて自分ではその来手来手をふさいではからかって居た。こっちに行こうとすると手にぶつかり後にもどろ....
金狼」より 著者:久生十蘭
系は、いわゆる劣性家系であって、屡※手のつけられぬ不適者をだした。こんな家に嫁の来手はないのだから、強制的に分家の女子を、それらの※疾にめあわす必要があったので....
怪異暗闇祭」より 著者:江見水蔭
少しは見える。今夜はこの三人で暗闇の中を見廻って、左様な悪戯をする者を引捕え、以来手を出させぬように致してやろうではないか」 「それは結構。三人で暗闇の中を探し....
たぬき汁」より 著者:佐藤垢石
ら甲州路。東は出羽奥州、北は越中越後遠くは飛騨の山々から、中国辺に至る二、三百年来手広く取引をなし、山の猟師が熊、鹿、狸、狐、羚羊、猿、山猫、山犬などの毛皮を携....
新案探偵法」より 著者:小酒井不木
ればよいのですが、犬は残念ながら物を言うことが出来ませんから、犬の実験心理学は従来手のつけようのないものとされて居りました。ところが、パウロフのこの条件反射の研....
婚期はずれ」より 著者:織田作之助
えば義枝の年に直ぐだった。しかも、そういう縁遠い小姑が二人もいては、永助には嫁の来手があるまいと、永助の独身までが目立ち、ここでは彼の若さも通らなかったわけだ。....