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「来着〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

来着の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
りと空に浮かんでいた。 二人《ふたり》はいつか滑川《なめりがわ》の川口の所まで来着いていた。稲瀬川《いなせがわ》を渡る時、倉地は、横浜|埠頭《ふとう》で葉子に....
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
の言葉に従い翌日直ぐに倫敦へ電報で探偵を一人注文して遣った、翌々日に注文に応じて来着した探偵は、森|主水《もんど》と云って、此の前にお紺婆の殺されたとき此の家へ....
母子叙情」より 著者:岡本かの子
味が出るほど徹底した。 そんなことでK・S氏の作品展覧会は、逸作の奔走により、来着後数日ならずして、市中の最も枢要な場所に在るデパートに小ぢんまりした部屋を急....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
、ただ黙々として、あちらを向いて景色などを眺めていられました。 良人がいよいよ来着したのは、それからしばしの後で、私が不図側見をした瞬間に、五十|余りと見ゆる....
恩人」より 著者:豊島与志雄
持ちのいいようにしてあげなくてはいけないよ。」暫くして斯う彼は云った。 叔父の来着を女中が彼の許に報じたのは十一時頃であった。 彼は立ち上って、窓から青い空....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
をもたらすかは、実に不思議なほどである。ジャン・ヴァルジャンが考えた計画は、前日来着々としてつごうよく進んでいた。そして彼はフォーシュルヴァンと同じくメティエン....
白塔の歌」より 著者:豊島与志雄
ばかりしますと、呂将軍は急務を片附けて隙になりました。高賓如は柳秋雲の先刻からの来着を知らせました。呂将軍はちらと険しい眼色をしましたが、すぐに顔色を和らげて長....
ゴルフと「悪い仲間」」より 著者:坂口安吾
と思ったが、この日プロは欠勤であった。予定の一時半に帰宅。 安岡君の一行すでに来着。はからざる次第。早朝に文春記者に叩き起された由である。この一週間ほど前に河....
ヨーロッパ的性格 ニッポン的性格」より 著者:坂口安吾
救援に参ったのであります。駛けつけて行って聞いてみると、案に相違して、今、高僧が来着したから、礼砲を打ったのだという話であります。駛けつけた連中は、非常に吃驚り....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
のハラワタを凍らせるような妖しさだった。 そこへ流れる汗もふき忘れた如くに急ぎ来着したのが幸平である。この一族には父子の交りも行われていないから、近い血のツナ....
九段」より 著者:坂口安吾
いうものであるが、呉清源氏が前夜来神様と共に行方不明で夜十二時に至るまでモミヂへ来着しなかったから、呉清源係りの多賀谷前覆面子は食事が文字通り一粒もノドへ通らな....
アラメダより」より 著者:沖野岩三郎
のために出港を遅らせるのは不都合だというものもあったが、彼はとうとう鶴見祐輔君の来着を待って、桑港を出帆した。おかげで鶴見君は第一回の普選に見事当選の栄を得たの....
西航日録」より 著者:井上円了
講師八杉貞利氏の滞在ありしをもって、あらかじめ余の旅館を定め、かつ停車場にて余の来着を迎え、百般の事につき周旋の労をかたじけのうせり。また当地公使館には、旧友秋....
ベートーヴェンの生涯」より 著者:片山敏彦
判って来た。今日、私にはそれがよく判る。それを明らかに読み採ることができる所まで来着いたと信じる。そうして、私がここで自分の子供の時の印象を呼び戻すのは、諸君自....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
必要以上にマリア女王の敵愾心の刺戟を避けその屈服を企図したのである。 露援軍の来着を待って七月行動を起し、シュワイドニッツ南方にあった墺軍陣地に迫り、これを力....