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「来経〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

来経の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
現代日本の開化」より 著者:夏目漱石
も甞《な》め尽した上にようやく一生面を開いたと云って宜《よろ》しい。したがって従来経験し尽した甲の波には衣を脱いだ蛇《へび》と同様未練もなければ残り惜しい心持も....
赤外線男」より 著者:海野十三
ばならなくなることも判り切っていたので、助手が一人欲しいと予算を出したところ、元来経済難のZ大学なので、助手案は一も二もなく蹴飛ばされたが、その代り大学部三年の....
物理学と感覚」より 著者:寺田寅彦
を促した。今日のところなかなか両者の調停はできそうもない。しかしあらゆる方則は元来経験的なもので前世の約束事でもなんでもない事を思い出せば素量仮説が確立した方則....
ロンドン一九二九年」より 著者:宮本百合子
ある。ロンドン市の「疲れた婦人の休養所」の一つがX嬢その他数人の献金によって数年来経営されて来た。ところが最近ロンドンに疲れた女が殖え、よく繁昌する。一日退職軍....
新日本文学の端緒」より 著者:宮本百合子
とである。 文学は本質において一つのたつきの道ではない。私たち総てが、この数年来経つつある酸苦と犠牲とを、新しい歴史の展開の前夜に起った大なる破産として理解し....
日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
が、それはつまりこれが充分な意味での自由主義哲学でなかったことを物語っている。元来経済的乃至政治的自由主義を飛び越して、いきなり文化的自由主義に立て籠った結果出....
現代哲学講話」より 著者:戸坂潤
、そうしたイデオロギー的・観念的・な動力が最初に連動すべき最も手近かな事物は、元来経済関係に較べてイデオロギー的地位に位する処の政治形態であることは、至極自然で....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
り有力でないようだが、つまりは其処に落着くのではなかろうか。なお宣長の「あら玉|来経る」説、即ち年月の経過する現という意。久老の「程来経る」説。雅澄の「手纏き佩....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
、子供のときから実行していなければ、学ぶのに幾年もの困難を経なければならない。生来経済家でない者は、経済家たらんとして時間をつぶしてしまう。金のいる新しい場合に....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
者の手を引いた。彼らはコブレンツ(訳者注 一七九二年王党の亡命者が集合せし地)以来経過した時間をないものだとした。ルイ十八世が神のお陰によって治世二十五年目であ....
範疇としての空間に就いて」より 著者:戸坂潤
ば主観的な概念であるとすれば、之に対して云わば客観的なものは物理的空間である。従来経験の対象であるという意味に於て漫然と経験的空間と呼ばれているものにそれは起源....
植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
つつ」、同巻十二の「唐棣花色《はねずいろ》の移ろひ易き情《こころ》あれば、年をぞ来経《きふ》る言《こと》は絶えずて」などがこれであって、このハネズをニワザクラ(....
妖怪学」より 著者:井上円了
して、事々物々の日夜変化するもの、一つとして必然の規則に従わざるはなく、我人の古来経験上にて考定せるもの、また、みな因果の道理にもとづかざるはなし。 これによ....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
性質を完備せざるをえず。学力、品行、信心これなり。この三点は、教正の方にてその従来経歴ある学校の卒業証、勤惰表、履歴書、その他臨時の試験等によりて審定して、その....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
ぬ。 なぜまた流がこう早う涸れて 己達は渇に悩んでいなくてならんのか。 これは年来経験して知っている。 この欠陥を埋め合せようとして、 形而上のものを尊重するよ....