来臨[語句情報] » 来臨

「来臨〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

来臨の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
夜明け前」より 著者:島崎藤村
それを聞くと、公使は冷笑して、結局の談判に旧識の人たちは皆来ない、初対面の貴下が来臨あるとははなはだその意を得ないと言い出す。松平伯耆はそんなことに頓着なしで、....
風流仏」より 著者:幸田露伴
十 如是本末究竟等 上 迷迷迷、迷は唯識所変ゆえ凡 下碑が是非|御来臨なされというに盗まれべき者なき破屋の気楽さ、其儘亀屋へ行けば吉兵衛|待兼顔に....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
えられたもののようです。 四十八 とにかく炉辺に集まった一同は、鐙小屋の神主の来臨を、暴風の際の船の中に船長を見るような気持で注視しました。それと同時に、暴風....
水の女」より 著者:折口信夫
つめであったらしい。 初春の祭りに、ただ一度おとずれたぎりの遠つ神が、しばしば来臨するようになった。これは、先住漢民族の茫漠たる道教風の伝承が、相混じていたた....
最古日本の女性生活の根柢」より 著者:折口信夫
村人が一家の間で祀らねばならぬ神があった。庶物にくっついて常在する神、時を定めて来臨する神などは、家々の女性が祀ることになっていた。 これらの女性が、処女であ....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
はあまりに冷酷に、またある人にはあまりに寛大にあまりに親切にこれ有り候。貴下の御来臨を待ち申し候。あるいはおぼし召しあらば御施与を待申候。しかして拙者の敬意を御....
ジロリの女」より 著者:坂口安吾
みの種が起って、姉君に相談したいと手をつくして、住所をつきとめ、かくてわが社へ御来臨と相成った次第の由、悩みの種とは、申すまでもなく、例の縁談のことであった。 ....
現代忍術伝」より 著者:坂口安吾
挨拶して、 「ヤ。まことに本日は遠路のところ御足労で。社長はじめ重役陣、直々の御来臨、光栄この上もありません。わりに、早いお着きで、恐れいりました」 「アッハッ....
良夜」より 著者:饗庭篁村
せば、その人は受取りて表書の名を見るより涙を溢して悦び、口早に女房にも告げ神仏の来臨の如く尊敬して座敷へ通し、何はさて置き伯父の安否を問い、幾度か昔救われたるこ....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
験は小生室にて御覧に入るるため、狭き階段を上り給うの労を御厭い無之候わば、是非御来臨願い度と存候。誠に実験は理解力のある以外の者には興味無之ものに御座候。以上。....
かくれんぼ」より 著者:斎藤緑雨
今方貸小袖を温習かけた奥の小座敷へ俊雄を引き入れまだ笑ったばかりの耳元へ旦那のお来臨と二十銭銀貨に忠義を売るお何どんの注進ちぇッと舌打ちしながら明日と詞|約えて....
鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
き籠り罷在候。熱は既に去り申候。もし御都合よろしく候はゞ、十日か十一日頃、乍憚御来臨下され度|希上げ候。此度の風しつこくこまり候。早々。 次に載せるのは、昭和....
不在地主」より 著者:小林多喜二
りたい微意であるのであります。 ――……なお、此度は旭川師団より渡辺大尉殿の御来臨を辱うし、農場主側よりは吉岡幾三郎氏代理として松山省一氏、小作方よりは不肖私....
妖怪玄談」より 著者:井上円了
るいは飯櫃の蓋を載せ、その上に布を加え、三人にて三方より手を掛け、暫時にして神の来臨ありと称し、それより禍福吉凶、その他いかなることがらにても、これにたずぬるに....
魂の喘ぎ」より 著者:大倉燁子
そうとするその跫音に気がついて、二人はこっちを見ましたが、 『チェッ。噂の主の御来臨だぞ』と低い声で『うんとおだてて嬉しがらせてやれよ』 友達はあどけない顔を....