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東上
「東上〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
東上の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
ろのごとくんば、この稿によって一点|霊犀《れいさい》の相通ずるあるを認めん。我が
東上の好機もまたこれによって光明を見るに至らんやも保しがたし。さらに兄に依嘱《い....
「千代女」より 著者:太宰治
にいらっしゃいと言われて私は、六月の第一日曜に、駒込駅から省線に乗って、池袋駅で
東上線に乗り換え、練馬駅で下車しましたが、見渡す限り畑ばかりで、春日町は、どの辺....
「田原坂合戦」より 著者:菊池寛
だけであって、十八日から二十日に至る間、無人の境を行く如くして肥後に入った。西郷
東上すとの声を聞いて、佐土原、延岡、飫肥、高鍋、福島の士族達は、各々数百名の党を....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
る。多くの薩摩|隼人らが政府の要路に立つものに詰問の筋があると唱えて、ついに挙兵
東上の非常手段に訴えたために、谷干城のごときは決死の敵を熊本城にくいとめ、身をも....
「写生紀行」より 著者:寺田寅彦
「集団」はまだ本物になっていないと思う。 十一月十日、木曜。池袋から乗り換えて
東上線の成増駅まで行った。途中の景色が私には非常に気にいった。見渡す限り平坦なよ....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
れは自費で出京する事になった。海路は別に滞りもなく大阪へ着いて、それから東海道を
東上した。勿論いずれも書生の身分だから日々徒歩と定め、よくよく足が疲れると荷馬の....
「生前身後の事」より 著者:中里介山
く》に障《さわ》っていたかもしれぬ。 そうしているうちに、愈々《いよいよ》また
東上してたしか明治座での再度の旗揚であった、そこで我輩もまあ一度だけは東京であの....
「水鳥亭」より 著者:坂口安吾
った。上陸に適した地勢で、おまけに鉄道の終点であり、敵はここを基地にして、首都へ
東上する、そんな尤もらしい噂が流布して、ここが本土の最初の戦場になることを土地の....
「妾の半生涯」より 著者:福田英子
みだ》りがましき類ならねば、将《は》た何をか包み秘《かく》さんとて、頓《やが》て
東上の途中大阪の親戚に立ち寄らんとの意を洩《も》らしけるに、さらばその親戚は誰《....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
青年塾について、あらましつぎのようなことを二人に話した。 場所は東京の郊外で、
東上線の下赤塚駅から徒歩十分内外の、赤松と櫟の森にかこまれた閑静なところである。....
「掠奪した短刀」より 著者:田中貢太郎
が、そのうちに慶応四年となって、鳥羽伏見の役が起り、板垣退助が土佐の藩兵を率いて
東上した。寛一郎もその旗下に属して、迅衝隊の隊士として会津へ往ったが、会津城が陥....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
空路は変ったらしい。私は伊東に住む故に、分るのである。去年の初夏から、しきりに伊
東上空を飛行機がとぶようになった。その時までは全く爆音をきかない伊東市だったので....
「竹本綾之助」より 著者:長谷川時雨
者の中村|芝雀《しばじゃく》(後に雀右衛門)を従兄妹《いとこ》にもっていたので、
東上のおりには、引幕を遣《おく》ったり見連《けんれん》を催したりする、彼女の生活....
「アーニイ・パイルの前に立ちて」より 著者:小林一三
ぶりで上京したのである。 東宝大沢社長の御厚意によって、鮮かな通訳を煩わして、
東上の主たる目的たる進駐軍B三百番ミス・アビロックの用事をすませ、東宝の本社へ同....
「岩魚」より 著者:佐藤垢石
の三角州の上に、先祖代々農を営む大地主である。この三角州は幕末、小栗上野が官軍の
東上に抗することの不可能であるを知って、江戸城を脱け出し、金|櫃に似た数個の箱を....