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「東奔西走〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

東奔西走の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
夜明け前」より 著者:島崎藤村
出そうとするような熱い思いはありながら、家を捨て妻子を顧みるいとまもなしにかつて東奔西走した同門の友人らがすることをもじっとながめたまま、交通要路の激しい務めに....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
から切符が手に入っただけで幸運に感謝しなければなるまい。私もこの切符のため数日来東奔西走したが、かなり前から発売してるにかかわらず、疾うの昔に売り切れちまって、....
風と光と二十の私と」より 著者:坂口安吾
たのんだものだ。何百円とか何千円とかの謝礼という約束の由で、そのときのこの主任の東奔西走、授業をうっちゃらかして馳け廻って、なにしろ御本尊の女先生が全然結婚自体....
集団見合」より 著者:坂口安吾
ないのである。 カメラマンの大活躍の陰の方に、ともかく見合いの仕事に従事して、東奔西走、なんとなくやっているのは、百名か二百名ぐらいのもの、その大多数は新聞社....
金銭無情」より 著者:坂口安吾
ふので駈けつけて売値をたしかめ、それから諸方の本屋につてを求めて買手をさがして、東奔西走、忙しくて仕方がなくても、売手買手、両雄チャッカリしたもので、口銭はいく....
中庸」より 著者:坂口安吾
もでない村の財政である。それにつけても、彼の無慾な奉公ぶりは偉とするに足る。彼の東奔西走は一貫して手弁当であった。 彼の怒りはその努力の知られざるに由ってであ....
握った手」より 著者:坂口安吾
考えた。ロイド眼鏡と小ジワと読書と冥想と人間観察の代りに、彼女がカバンをかかえて東奔西走し、あの街角この広場で絶叫する様を想像したのである。政界の大物に惚れたあ....
投手殺人事件」より 著者:坂口安吾
手だったというが、五尺四寸ちょッとの素晴らしい体躯、肉体美人だ。好試合を追って、東奔西走、夕刊スポーツに観戦記をものして、スポーツファンの人気を博していたが、選....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
、何子チャンというのを手がかりに雲をつかむような捜査をはじめた。路銀を工面しては東奔西走、よほど悪智恵にたけ、手腕にたけているらしく、十日もたつと、なんなく秘密....
雪の宿り」より 著者:神西清
る。第一|殆ど二年近くも彼は玄浴主に顔を見せずにいた。応仁の乱れが始まって以来の東奔西走で、古い馴染を訪ねる暇もなかったのである。自分としては戦乱にはもう厭々し....
大捕物仙人壺」より 著者:国枝史郎
うする英雄であったが、慶喜に一切を任せられるに及び、大久保一翁、山岡鐡舟などと、東奔西走心胆を砕き、一方旗本の暴挙を訓め、他方官軍の江戸攻撃を食い止めようと努力....
水晶の栓」より 著者:新青年編輯局
かくてルパンは夫人と種々打ち合せた上、夫人が久しい間に亙る繊弱き女性の身をもって東奔西走と苦心焦慮の極みを尽したため心身共に極度に疲憊しているので、とりあえず巴....
不吉の音と学士会院の鐘」より 著者:岩村透
ね。考えてみれば暢気な話さ。怪談の目星を打たれる我々も我々であるが、部署を定めて東奔西走も得難いね。生憎持合せが無いとだけでは美術村の体面に関わる。一つ始めよう....
三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
乏咄をしてテンから相談対手にならなかった。 沼南はまた晩年を風紀の廓清に捧げて東奔西走廃娼禁酒を侃々するに寧日なかった。が、壮年の沼南は廃娼よりはむしろ拝娼で....
まあまあ居士の弁」より 著者:浅沼稲次郎
姿の具現の為にあらゆる努力を捧げたいと思って居る。私は右の信念の下に党の運営の為東奔西走しつつあるのであるが、よく人は私を「まあまあ居士」だとか「優柔不断」だと....