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「東屋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

東屋の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
どんぐり」より 著者:寺田寅彦
って、やっと出て見ると妻はそこにはいぬ。どこへ行ったかと見回すと、はるか向こうの東屋《あずまや》のベンチへ力なさそうにもたれたまま、こっちを見て笑っていた。 ....
灯台鬼」より 著者:大阪圭吉
の心の底に貪婪なあこがれをかき立てていたことか。だから、当直に叩き起された所長の東屋氏とわたしは、異変と聞くやまるで空腹に飯でも掻ッこむような気持で、そそくさと....
死の快走船」より 著者:大阪圭吉
赭色の、美しい岬の坂道にかかった。ちょうど日曜日で久々に訪ねてくれた水産試験所の東屋三郎氏は、折角計画した遠乗りのコースをこのような海岸に変更されて最初のうち少....
動かぬ鯨群」より 著者:大阪圭吉
と丸辰は勿体ぶって、「実は、さっきに警察から、俺んとこへ依頼が来たんだ。それで、東屋って人に会って来たんだがな。その人は、内地の水産試験所の所長さんだそうだが、....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
頃から泊まったね」 「しん吉さんは先月からこの近辺をまわって居りまして、ここでも東屋という茶屋旅籠屋の表二階で三晩ほど打ちました。一座の五人はそれから八王子の方....
心の河」より 著者:宮本百合子
胸一杯に流れるのを感じた。 「どうなすって?」 「今日はね、思いがけない用事で伊東屋へ行ったんでおそくなった。――ひどいよ今頃は。まるで喧嘩さ」 「銀座の?」 ....
火事教育」より 著者:寺田寅彦
の対象であるということを考えてみる学者もまれである。 話は変わるが先日|銀座伊東屋の六階に開催されたソビエトロシア印刷芸術展覧会というのをのぞいて見た。かの国....
東山時代における一縉紳の生活」より 著者:原勝郎
も来た。しかしてこれら坂東者の多くは、しかるべき紹介の手蔓を有するもののほか、坂東屋という商人の取次によったらしい。 これら人々の来訪や音信によって得たる実隆....
山の湯雑記」より 著者:折口信夫
やっと、すこっぷした男が助手に乗りこんで、山へ入り込んだ事であった。でも無事に、東屋と言うのに著いた。それからふた月、七月の七日に、またやって来た白布高湯は、も....
ワンダ・ブック――少年・少女のために――」より 著者:ホーソーンナサニエル
れてしまって、この世のものとも思えないような匂いを放つすいかずらが一杯にからんだ東屋《あずまや》にいるような心地がしたことでしょう。 ボーシス婆さんは、何も知....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
を待っていました。やっと気がついて別の方へ行って有楽町まで行って、用をすまして伊東屋であなたからの手紙を整理するためのスクラップを買って雨の降る人ごみの中を歩い....
おとずれ」より 著者:国木田独歩
囲に人影見えず、二人はわれを見たれど意にとめざるごとく、一足歩みては唄い、かくて東屋の前に立ちぬ。姉妹共に色|蒼ざめたれど楽しげなり。五月雨も夕暮れも暮れゆく春....
書記官」より 著者:川上眉山
にしつらいたる路を登り行けば、松と楓樹の枝打ち交わしたる半腹に、見るから清らなる東屋あり。山はにわかに開きて鏡のごとき荻の湖は眼の前に出でぬ。 円座を打ち敷き....
註文帳」より 著者:泉鏡花
もしねえ十九日。 聞きなせえ。 するとその前の月にも一昨日持って来たとッて、東屋の都という人のを新造衆が取りに来て、」 五助は振向いて背後の棚、件の屋台の....
新古細句銀座通」より 著者:岸田劉生
洋館で、また油絵々具の最初の輸入店の一つとしてわれ/\が忘れられない店である。伊東屋もちょっと古いが、そのわきの松島眼鏡店がまた古い。更に丸八に至っては一層古く....