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「東雲〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

東雲の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
高野聖」より 著者:泉鏡花
いうことさえ忘れるような気がするというは何たる事! 殊《こと》に今朝《けさ》も東雲《しののめ》に袂《たもと》を振り切って別れようとすると、お名残惜《なごりお》....
茶の本」より 著者:岡倉覚三
始めて鳴り渡る弦をそなえた大琴を作らんことを祈る。 第六章 花 春の東雲のふるえる薄明に、小鳥が木の間で、わけのありそうな調子でささやいている時、諸....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
りと水を溢しながら、アノ手でつかつかと歩行き出した。 その後を水が走って、早や東雲の雲白く、煙のような潦、庭の草を流るる中に、月が沈んで舟となり、舳を颯と乗上....
南地心中」より 著者:泉鏡花
のではない。定の通り十二人。で、また見渡すと十三人。 ……式の最初、住吉|詣の東雲に、女紅場で支度はしたが、急にお珊が気が変って、社へ参らぬ、と言ったために一....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
すく白い袖で抱いたのである。が、由来|宿業として情と仇と手のうらかえす雪女郎は、東雲の頃の極寒に、その気色たちまち変って、拳を上げて、戸を煽り、廂を鼓き、褄を飛....
縁結び」より 著者:泉鏡花
、坐蒲団の傍まで散々のしだらなさ。帯もぐるぐる巻き、胡坐で火鉢に頬杖して、当日の東雲御覧という、ちょっと変った題の、土地の新聞を読んでいた。 その二の面の二段....
伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
く、路もない、雲に似て踏みごたえがあって、雪に似て冷からず、朧夜かと思えば暗く、東雲かと見れば陰々たる中に、煙草盆、枕、火鉢、炬燵櫓の形など左右、二列びに、不揃....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
った丘の根と、海なるその岩との間、離座敷の二三間、中に泉水を湛えた状に、路一条、東雲のあけて行く、蒼空の透くごとく、薄絹の雲左右に分れて、巌の面に靡く中を、船は....
黒百合」より 著者:泉鏡花
をかけて深々と包んだ朝靄は、高く揚って旭を遮り、低く垂れて水を隠した。色も一様の東雲に、流の音はただどうどうと、足許に沈んで響く。 お兼は立去りあえず頭を垂れ....
」より 著者:国木田独歩
、あるいは大海原の波の上に、あるいは細渓川の流れの潯に、つきぬ睦語かたり明かし、東雲の空に驚きては天に帰りぬ。 女星は早くも詩人が庭より立ち上る煙を見つけ、今....
春昼後刻」より 著者:泉鏡花
江戸紫の夜あけがた、小僧が門を掃いている、納豆の声がした……のは、その人が生涯の東雲頃であったかも知れぬ。――やがて暴風雨となったが―― とにかく、(ことづけ....
棲霞軒雑記」より 著者:上村松園
の友 同上 二圓五十銭 一、千歳春 同上 二圓 一、東雲 同上 一圓五十銭 一、宇治の里 同上 一圓三十....
清心庵」より 著者:泉鏡花
草履|穿きたり。かくてわれ庵を出でしは、午の時過ぐる比なりき。 麓に遠き市人は東雲よりするもあり。まだ夜明けざるに来るあり。芝茸、松茸、しめじ、松露など、小笹....
三枚続」より 著者:泉鏡花
すべからざるありさまに変ずるがごとく見て取った。 鶏鳴暁を報ずる時、夜のさまが東雲にうつり行く状は、いつもこれに変らぬのであるけれども、月さえやや照し初めたほ....
消えた美しい不思議なにじ」より 著者:小川未明
太陽の光は、その河水の上にも、花の上にも、また砂の上にもいつもあふれていました。東雲の空色のような、また平和な入り日の空色のような、うす紅い色の着物をきた少女が....