松が枝[語句情報] » 松が枝

「松が枝〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

松が枝の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
源おじ」より 著者:国木田独歩
女あの顔を見なばそのまま気絶やせんと囁《ささや》けば相手は、明朝《あすあさ》あの松が枝に翁の足のさがれるを見出《みいだ》さんもしれずという、二人は身の毛のよだつ....
薤露行」より 著者:夏目漱石
戯るる術《すべ》もあろう。偃蹇《えんけん》として澗底《かんてい》に嘯《うそぶ》く松が枝《え》には舞い寄る路のとてもなければ、白き胡蝶《こちょう》は薄き翼を収めて....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
きな蕾を持つ牡丹がまた焼け跡から新しい芽を吹き出している。半蔵の好きなものだ。「松が枝」とは、その庭の植樹から思いついて、半蔵が自分の歌稿の題としているくらいだ....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
こえた山間の高山路が深い降雪のために埋められるのを恐れた。 独居のねぶり覚ますと松が枝にあまりて落つる雪の音かな さよしぐれ今は外山やこえつらむ軒端に残る音もま....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
て、鼻欠地蔵の道しるべから畑中を一丁ばかり入り込んで、薄暗い墓地に入った。大きな松が枝を広げて居る下に、次郎さんの祖母さんや伯母さんの墓がある。其の祖母さんの墓....
元禄十三年」より 著者:林不忘
、土地の者が、葬いのしるしに、それなる老木の傍に若松を一本植えましたところが、小松が枝を伸ばして、親松の幹を押さえましたそうで――さながら枝で支えようとしており....
旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
金にしてもらったり、白米で渡してもらったりしたものでね。清元の唄にある――首尾の松が枝竹町のって――百本|杭《くい》の向う河岸の、お船蔵の首尾の松さ、あすこにわ....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
は人麿としては晩年の作に属するものであろう。 ○ 磐代の浜松が枝を引き結び真幸くあらば亦かへり見む 〔巻二・一四一〕 有間皇子 有間皇子....
塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
んだ歌ではない、月の事に就いて詠みました歌でございますが、雲を風で吹払った跡は、松が枝に渡る風の声のみで、光々明々として月を見ている心になれば、年中間違いはなき....
平泉紀行」より 著者:村山俊太郎
は、 色かへぬ松のあるじや武蔵坊 と、素鳥の句を録してある。 年ふれど色は変らじ松が枝の 下露あびて墓標は立ちけり 私は立往生をしたという衣川と、この天地と....
空家」より 著者:宮崎湖処子
早くも村の外に出でたり、路傍の一里塚《いちりづか》も後になりて、年|経《ふ》りし松が枝も此方を見送り、柳の糸は旅衣を牽《ひ》き、梅の花は裳に散り、鶯《うぐいす》....
五重塔」より 著者:幸田露伴
え、鼻の頭にも珠を湧かせば腋の下には雨なるべし。膝におきたる骨太の掌指は枯れたる松が枝ごとき岩畳作りにありながら、一本ごとにそれさえもわなわな顫えて一心にただ上....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
ません。本当の意味で、仏教ぐらい大欲な教えはないでしょう。出来ない望みの譬えに、松が枝に桜の花を咲かせ梅の香りを放させたいような願いだと言いますが、仏教はそれに....