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「松の葉の〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

松の葉のの前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
少女病」より 著者:田山花袋
てくてくと歩いていくと、ふと黒い柔かい美しい春の土に、ちょうど金屏風に銀で画いた松の葉のようにそっと落ちているアルミニウムの留針。 娘のだ! いきなり、振り....
木の子説法」より 著者:泉鏡花
おけ。)――軽少過ぎる。卓子を並べて、謡本少々と、扇子が並べてあったから、ほんの松の葉の寸志と見え、一樹が宝生雲の空色なのを譲りうけて、その一本を私に渡し、 「....
めでたき風景」より 著者:小出楢重
とが如何に健康のためによろしいかということは問題にならないが、その地面の真白さと松の葉の堅き黒さの調子というものは、ちょうど、何か、度外れに大きな電燈を室内へ点....
二十三番地」より 著者:宮本百合子
くと、小さい子供を膝に乗せて、投げ座りのまんま舟を漕いで居る様子などが、まばらな松の葉の間から、手に取る様に見えた。 「あの人は気が柔かくなったと見えて居眠り....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
もう一通かくのよ。それでは淙々としたせせらぎの鳴るのを聴きましょう。霜のおりた、松の葉のしげみの下に、伊豆は、冬でもりんどうの花が咲いて居ります。冬でも、りんど....
清心庵」より 著者:泉鏡花
穂、影さすばかり生いたれば、ここに人ありと知らざる状にて、道を折れ、坂にかかり、松の葉のこぼるるあたり、目の下近く過りゆく。女はその後を追いたりしを、忍びやかに....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
、チラと人影がある。星明りを透かしてみると、女らしい美麗な袂と白い顔が、細やかな松の葉の中におののいているのである。 犬に追われて樹の上へ逃げ登ったのか....