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「松影〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

松影の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
雛妓」より 著者:岡本かの子
かの子さーん」 わたくしも何だか懐かしく呼んだ。 「お雛妓さんのかの子さーん」松影に声は距てられながらもまだ、 「奥さまのかの子さーん」 「お雛妓さんのかの子....
謡曲黒白談」より 著者:夢野久作
かに、即ち至誠神明に通ずる底の神気を以て朗々と吟誦するのです。ですから一句の裡に松影|婆娑たる須磨の浦を現わし、一節の裡に万人の袖を濡らす事が出来るのです」 ....
小春の狐」より 著者:泉鏡花
だ、袖に映したって、映るものかね。ここは引汐か、水が動く。――こっちが可い。あの松影の澄んだ処が。」 「ああ、御免なさい。堪忍して……映すと狐になりますから。」....
源氏物語」より 著者:紫式部
ではあるが夕霧の御息所のいた山荘などよりも奥で、山によりかかった家であったから、松影が深く庭に落ち、風の音も心細い思いをさせる所で、つれづれになってはだれも勤行....
寄席と芝居と」より 著者:岡本綺堂
、菊五郎の新吉、いずれも好評を取った。 三十二年十二月の歌舞伎座で「鏡ヶ池|操松影」を上演した。これも円朝物の江島屋騒動である。主なる役割は江島屋治右衛門(蟹....
月明」より 著者:豊島与志雄
みが止ったような時間だった。 そこへ、姉がこちらを何やら呼びかけながら、向うの松影から駆けてきた。 彼は初めて、俊子の眼をじっと見入った。それに応えて彼女の....
小説 円朝」より 著者:正岡容
のどうにも手のつけられない機嫌の悪い処置振りをしては、やがてその二階で「鏡ヶ池操松影《かがみがいけみさおのまつかげ》」江戸屋怪談の腹案を纏めた。「座頭浦繁《ざと....
我が円朝研究」より 著者:正岡容
三遊亭圓朝初期の作品たる「怪談牡丹燈籠《かいだんぼたんどうろう》」「鏡ヶ池操松影《かがみがいけみさおのまつかげ》(江島屋騒動)」「真景累ヶ淵《しんけいかさね....
瓜の涙」より 著者:泉鏡花
の枝の地紙形に翳蔽える葉の裏に、葦簀を掛けて、掘抜に繞らした中を、美しい清水は、松影に揺れ動いて、日盛にも白銀の月影をこぼして溢るるのを、広い水槽でうけて、その....