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松葉牡丹
「松葉牡丹〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
松葉牡丹の前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「令嬢アユ」より 著者:太宰治
を示して、夏草を踏みわけ河原へ向った。草の露が冷たくて、いい気持。土堤にのぼる。
松葉牡丹《まつばぼたん》が咲いている。姫百合《ひめゆり》が咲いている。ふと前方を....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
五十二 田を行く時、白鷺が驚いて立った。村を出る時、小店の庭の
松葉牡丹に、ちらちら一行の影がさした。聯る車は、薄日なれば母衣を払って、手に手に....
「星あかり」より 著者:泉鏡花
尚と婆さんと二人で住む。門まで僅か三四|間、左手は祠の前を一坪ばかり花壇にして、
松葉牡丹、鬼百合、夏菊など雑植の繁った中に、向日葵の花は高く蓮の葉の如く押被さっ....
「路傍の草」より 著者:寺田寅彦
で捜し出すと見えて、ほとんど残りなしに抜き取ってしまうのである。たとえば向日葵や
松葉牡丹のまだ小さな時分、まいた当人でも見つけるのに骨の折れるような物影にかくれ....
「田原氏の犯罪」より 著者:豊島与志雄
から煙が上っていた。田原さんはただむやみとその庭に水を濺いだ。飛石の側には小さな
松葉牡丹が黄色い花を開いていた。 庭に水をまき、暮れかかってぱっと明るい大空を....