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松虫草
「松虫草〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
松虫草の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「雪中富士登山記」より 著者:小島烏水
》して、朝の空気は、醒めるように凛烈《りんれつ》となった。 中の茶屋へ着くと、
松虫草の紫は、見る影もなく褪《あ》せているが、鳥冑草は濃紫に咲いている、そして金....
「千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
える。原にある一筋の細い道の傍には、紫色に咲いた花もあった。T君に聞くと、それは
松虫草とか言った。この辺は古い戦場の跡ででもあって、往昔海の口の城主が甲州の武士....
「不尽の高根」より 著者:小島烏水
塊まりに寄り添っている、私たちの足許には釣鐘草、萩、擬宝珠、木楡が咲く。瑠璃色の
松虫草と、大原の水分を一杯に吸い込んで、ふくらんだような桔梗のつぼみからは、秋が....
「沓掛より」より 著者:寺田寅彦
るときっとその近所にそれとよく似た別の植物が見つかるということである。たとえば「
松虫草」と「なべな」、「ほたるぶくろ」と「つりがねにんじん」といったようなもので....
「ヴェルダン」より 著者:野上豊一郎
れども、その当時は死屍累々の恐ろしい光景を呈した所だという。私は道ばたに咲き出た
松虫草の花やひるがおの花に明るい陽光の降り濺いでる静寂の中に彳んで、阿鼻叫喚の修....
「白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
沿うて下流へと歩を運んだ。道もせに咲き残っている紅の竹石花、純白の野菊、うす紫の
松虫草などとりどりに美しい。上湯島の少し手前から河原に下りる、山崩れの跡が幾カ所....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
迄辿って来た足もとの細い路は、五、六歩の先で二に岐れている、其処に紫の花を持った
松虫草が道しるべのように立っていた。左は東又から阿部木谷に通ずるもので、原を横さ....