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板前
「板前〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
板前の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「国貞えがく」より 著者:泉鏡花
に道楽で忙しいんでしてな、つい暇《ひま》でもございまするしね、怠《なま》け仕事に
板前《いたまえ》で庖丁《ほうちょう》の腕前を見せていた所でしてねえ。ええ、織さん....
「仇討三態」より 著者:菊池寛
出すものがある。 台所で立ち働いていた料理番の嘉平次までが、たまらなくなって、
板前の方をうっちゃらかして酒宴の席へ顔を出した。 「嘉平か? 御苦労! もう食い....
「眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
気はぽっちり。で、灰の白いのにしがみついて、何しろ暖かいものでお銚子をと云うと、
板前で火を引いてしまいました、なんにも出来ませんと、女中の素気なさ。寒さは寒し、....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
慾、野を燎く髯だからね。向うの写真館の、それ「三大画伯お写真。」へは、三崎座の看
板前、大道の皿廻しほどには人だかりがするんだから、考えたんだよ。 (――これ皆、....
「神サマを生んだ人々」より 著者:坂口安吾
」 「これで温泉気分にひたれというのかい」 「今に分りますが、ここの内儀は一流の
板前ですよ。その他、サービス満点……」 自信マンマンたる眼の色であるから、大巻....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
みると、すでに来客が二人いる。一人は常友である。料亭の小僧に出された常友は実直に
板前をつとめて一人前の職人になっていたが、イナセな
板前たちの中ではグズでノロマで....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
タケノコを使ってらア。キサマ十日間どこを歩いてたんだ。顔を洗い直して、この三軒の
板前にきいてこいよ。調査もれも、ひどすぎて、話のほかではないか。このインチキ小僧....
「裏切り」より 著者:坂口安吾
中文なしでピイピイ腹をすかしていましたから、日野がウチ(阿久津のことです。ぼくは
板前見習い兼出前もちです)へつれてきて彼女にタダメシをゴチソウするようになったわ....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
云って、長崎第一級のシッポク料理屋だったそうですよ。うまいわけだ。当時の第一級の
板前は居ないにしても、前身がそうであればそう変テコな
板前を置く筈はないから当然で....
「悪因縁の怨」より 著者:江見水蔭
「別当さんのところへ御無心に行って参りましょう」 「そうして貰おう。御前、愚庵の
板前をまア御覧下さい」 この宗匠、なんでも心得ている。持参の瓢酒で即席料理、魚....
「雪代山女魚」より 著者:佐藤垢石
すれば、市井に鍋を傾ける底の料理人の舌の教養も、概ねどれほどであるかが知れよう。
板前は、食品に容の美を整えるを知って、至味の膳を悟らぬ。悲しむべきことと思う。....
「お米の話」より 著者:北大路魯山人
意が足りない。 料理屋がそうだから、料理人はみなそうである。料理長というものは
板前といって、俎板の前に坐って刺身ばかり作っている。本当の料理人ならば、仮に自分....
「世界の「料理王逝く」ということから」より 著者:北大路魯山人
「世界の食通から『料理の王』と賛美されたフランス随一の
板前オウグュスト・エスコフィエ老がこのほど亡くなった。 翁は外国にあって――わ....
「道は次第に狭し」より 著者:北大路魯山人
それは味を身につけていないからである。味を身につけるには、客からのご馳走でなく、
板前からの宛てがい扶持でなく、身銭を切って食ってみること。本気でそれを繰り返して....
「料理一夕話」より 著者:北大路魯山人
、ずっと以前のことでは、食道楽の○○先生、学校における割烹の先生、料理屋の主人、
板前、ラジオの放送料理、これらみながみなまで知り切っているわけではないが、私の今....