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「板床〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

板床の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
いたのです。――跡は、咲いたように赤く畳をたどって、がっちりと大仏壇の乗っている板床の上で終わっているのでした。 じっと見ると、その板床の上に、ねっとりとした....
クララの出家」より 著者:有島武郎
もう思い残す事はなかった。 ためらう事なくクララは部屋を出て、父母の寝室の前の板床に熱い接吻を残すと、戸を開けてバルコンに出た。手欄から下をすかして見ると、暗....
星女郎」より 著者:泉鏡花
、鬼薊が投込んである。怪しからん好みでしょう、……がそれはまだ可い。傍の袋戸棚と板床の隅に附着けて、桐の中古の本箱が三箇、どれも揃って、彼方向きに、蓋の方をぴた....
活人形」より 著者:泉鏡花
これ究竟の隠所と、泰助は雨戸とその幕の間に、電のごとく身を隠しつ。と見れば正面の板床に、世に希有しき人形あり。人形の前に坐りたる、十七八の美人ありけり。 泰助....
柳生月影抄」より 著者:吉川英治
ってやる」 そこは北向きで、仄暗くてまた、冷たかった。柱なし何間四面という板壁板床である。わずかに武者窓から映す光が、淡い縞目の明りをそこに落している。 「…....
黒田如水」より 著者:吉川英治
牢獄のうちを睨めまわした。 天井は高い。間口奥行は広い。そして、真四角な暗闇と板床であること。いつ眼をさましてみても、少しの変りもない。 変って来たのは、夏....
ロザリオの鎖」より 著者:永井隆
トタンを打ちつけたものである。みんなそこらから拾い集めてきた焼け残りの物だった。板床の上に配給の固い毛布を敷き、入り口にだけは板戸をつけてあった。窓なしだから板....