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「枉げて〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

枉げての前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
仇討禁止令」より 著者:菊池寛
ことを謀る場合、貴殿がいては、我々も心苦しいし、貴殿も心苦しかろう。今日だけは、枉げて御中座が願いたいが……」甚之助の言葉は、温かであった。 が、新一郎の顔に....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
族の罪に連坐して、遠い南の国へ流しやられることになった。帝は不憫に思ったが、法を枉げて彼を免すことを好まないので、ひそかにその亀を彼にあたえた。 「南方の僻地に....
わが町」より 著者:織田作之助
か、マニラの日本領事館を訪問して、邦人労働者の供給を請うた。邦人移民排斥の法律を枉げてまでそうしたのは、カリフォルニヤを開拓した日本人の忍耐と努力を知っていたか....
近時政論考」より 著者:陸羯南
由もしくは国家的自由とは、今の板垣伯が八、九年前に明語せしごとく、「自己の自由を枉げて公同の自由を伸ばす」との謂にして、貧富智愚の差等にかかわらず人民みな平等に....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
んな事でも好いと云う暴論は吐かないが、少くとも、庄司署長がこの問題に対して良心を枉げていたとは思われないのである。 が、一方、支倉喜平に対しても彼が獄中で縷々....
富貴発跡司志」より 著者:田中貢太郎
に係わらず、国に報ぜんことを思わないで、惟だ貪饕を務めて、鈔金三百錠を受け、法を枉げて裁判をし、銀五百両を取って、理を非に枉げて良民を害したから、府君が上界に奏....
緑衣人伝」より 著者:田中貢太郎
あった。 嚢陽累歳孤城に因る 湖山に豢養して出征せず 識らず咽喉形勢の地 公田|枉げて自ら蒼生を害す 秋壑は怒って誹謗者を遠流に処した。 秋壑はまたある時、....
鵞鳥」より 著者:幸田露伴
には把掖誘導啓発抜擢、あらゆる恩を受けているので、実はイヤだナアと思ったけれども枉げて従った。この心持がせめて君には分ってもらいたいのだが……」 と、中頃は余り....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
地軸孔」ゆきをお止めになることですわ。これは、貴方さまのため、私どものため、ぜひ枉げても、お聴き入れねがいたいと存じます。 地底の女、ザチより 晦冥国大油....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
府公の御手前の儀は、我等主人に於て何分にもおとりなし仕《つかまつ》るべきにより、枉げて佐和山の城へお立寄りを願いたい、我等主人胸中には、刑部少輔殿に格別の御相談....
八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
芳流傑閣勢ひ天に連なる 奇禍危きに臨んで淵を測らず ※歩敢て忘れん慈父の訓 飄零枉げて受く美人の憐み 宝刀|一口良価を求む 貞石三生宿縁を証す 未だ必ずしも世間....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
らず後々までも円満にこの事が成就する訳ですけれども、チベット人は誠の事をわざわざ枉げて言いもし信じもする弊がありますので誠に困った国民です。けだし真実の事実をわ....
わが町」より 著者:織田作之助
を悟ったのか、マニラの日本領事館へ邦人労働者の供給を請うた。邦人移民排斥の法律を枉げてまでそうしたのは、カリフォルニヤを開拓した日本人の忍耐と努力を知っていたか....
融和問題に関する歴史的考察」より 著者:喜田貞吉
、喜田は歴史を喰い物にして、それを押売りする不徳漢だとか、喜田は歴史研究の結果を枉げて、しいて融和の援兵に使っている、偽学者だとかいう非難があります。かくの如き....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
史研究等も全く主観的で歴史的事実に拘泥する事なく、総てを自己の理想の表現のために枉げておる有様である。危険を伴うものと言わねばならぬが、速戦即決の徹底を要したド....