枕する[語句情報] » 枕する

「枕する〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

枕するの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
駈込み訴え」より 著者:太宰治
じに》していたに違いない。「狐には穴あり、鳥には塒《ねぐら》、されども人の子には枕するところ無し」それ、それ、それだ。ちゃんと白状していやがるのだ。ペテロに何が....
婦系図」より 著者:泉鏡花
で続けられた。汽車には太く倦じた体で、夫人は腕を仰向けに窓に投げて、がっくり鬢を枕するごとく、果は腰帯の弛んだのさえ、引繕う元気も無くなって見えたが、鈴のような....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
堂とか云わなければなるまいかなどとも考える。それと同時に、「狐に穴あり、人の子は枕する所無し」が、今の場合まったく痛切に感じられた。 しかし私の横町にも人家が....
パンドラの匣」より 著者:太宰治
実に、自由思想家の大先輩ではないか。狐には穴あり、鳥には巣あり、されど人の子には枕するところ無し、とはまた、自由思想家の嘆きといっていいだろう。一日も安住をゆる....
十五年間」より 著者:太宰治
実に、自由思想家の大先輩ではないか。狐には穴あり、鳥には巣あり、されど人の子には枕するところ無し、とはまた、自由思想家の嘆きといっていいだろう。一日も安住を許さ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
した春日長次郎は、続けて、 「しかしながら、切支丹の罪によって国を逐《お》われ、枕するところを奪われたジプシー種族に、二つの恵まれたものがございます、その一つは....
地上」より 著者:島田清次郎
った。 「ああ、自分はどうしよう」(獣には穴あり空とぶ鳥は巣あり、されど人の子は枕するに所なし)――熱い涙が制し切れなかった。「ああ、この感情、この真理、これは....
十番雑記」より 著者:岡本綺堂
堂とかいわなければなるまいかなどとも考える。それと同時に、「狐に穴あり、人の子は枕する所なし」が、今の場合まったく痛切に感じられた。 しかし私の横町にも人家が....
漁師」より 著者:マクラウドフィオナ
、やがて眼をほかに向けて言い出した。 「狐は穴がある、空の鳥は巣がある、人の子は枕するところもない」 「それは、どういう事なんです、私の大事のその白い頭のなかで....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
には数十回に及んだお方もある。上皇の御幸であっても、お供の公卿たちは急造の庵に草枕することもあったのだが、それにしてもこうした交通の自由感の生れてきていたことが....
空中征服」より 著者:賀川豊彦
れは、ブルジョア・デモクラシーである。蟹には穴あり、田螺には貝あり、されど雨蛙は枕する所だになき無産者である。もしも世界を田螺や蟹の理想をもって導くならば、我ら....