枕に就く[語句情報] »
枕に就く
「枕に就く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
枕に就くの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浜菊」より 著者:伊藤左千夫
で無論真筆紛れない。夜目ながら墨色深潤大いに気に入った。此気分のよいところで早速
枕に就くこととする。 強いて頭を空虚に、眼を閉じてもなかなか眠れない、地に響く....
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
。玉藻に就いて考えたいことがたくさんあったが、今夜の彼はあまりに疲れていたので、
枕に就くとすぐに安らかに眠ってしまった。 しかしその安らかな夢がさめると、彼は....
「旧主人」より 著者:島崎藤村
その晩は、まんじりともしません。始めて奉公に上りました頃は、昼は働に紛れても、
枕に就くと必《きっ》と柏木のことを思出すのが癖になって、「御母さん、御母さん」と....
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
気味で受合いましたから、大きにお竹も力に思って、床を展って臥りました、和尚さまは
枕に就くと其の儘旅疲れと見え、ぐう/\と高鼾で正体なく寝てしまいました。お竹は鼾....
「新世帯」より 著者:徳田秋声
った。働けばまた働くのが面白くなって、一日の終りには言うべからざる満足があって、
枕に就くと、去年から見て今年の景気のいいことや、得意場の殖えたことを考えて楽しい....
「ソヴェト・ロシアの素顔」より 著者:宮本百合子
れが物語り風に出来ている。そうすると、そこへ一日の労働を了えて疲れて帰って来て、
枕に就くというとかゆくて寝られない。そのうちに夜が明けて、眠り足りないで工場に出....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
、帰りまで更に保管を託して置くことにしました。 そうして、夜具をのべてもらい、
枕に就くと女の子が、六枚屏風を持って来て、立て廻してくれました。六枚屏風は少し大....
「蜘蛛の夢」より 著者:岡本綺堂
寝床にはいりましたが、ゆうべもよく眠られませんでしたので、年のゆかないわたくしは
枕に就くと正体もなしに寝入ってしまいました。あくる朝になって聞きますと、母はゆう....
「曲亭馬琴」より 著者:邦枝完二
を、煎餅布団に伸した、久し振りの我が家の寝心地が、どこにも増してよかったせいか、
枕に就くとそのまゝ眠りに落ちたので、実をいえば今朝方|厠《かわや》へ起きるまでは....
「活人形」より 著者:泉鏡花
急ぎて、早くお藤の方をつけよ。夏とはいえど夜は更けたり。さまでに時刻|後れては、
枕に就くと鶏うたわむ、一刻の価値千金と、ひたすら式を急ぐになん。さはとて下枝を引....