枕木[語句情報] »
枕木
「枕木〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
枕木の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「路上」より 著者:梶井基次郎
す。往来を走っているのは割合い少いものですが、など車掌は言っていた。汽車のように
枕木の上にレールが並べてあって、踏切などをつけた、電車だけの道なのであった。 ....
「透明猫」より 著者:海野十三
はえしげった低い堤《つつみ》が下の方へおちこんでいて、その向うに、まっ黒にこげた
枕木《まくらぎ》利用の垣《かき》がある。その中にはレールがあって、汽車が走ってい....
「渦巻ける烏の群」より 著者:黒島伝治
。そのあたりの地理は詳細には分らなかった。 だが、そこの鉄橋は始終破壊された。
枕木はいつの間にか引きぬかれていた。不意に軍用列車が襲撃された。 電線は切断さ....
「とむらい機関車」より 著者:大阪圭吉
は四遍共全く同じその地点であって、その度毎に、そこに立っている里程標と、それから
枕木の四頭釘――これはカーブに於ける線路の匐進を防ぐために、軌条に接して
枕木の上....
「河明り」より 著者:岡本かの子
れた。箱車を押す半裸体の馬来人は檳榔子の実を噛んでいて、血の色の唾をちゅっちゅと
枕木に吐いた。護謨園の事務所に着いた。 事務所は椰子林の中を切り拓いて建てた、....
「蟹工船」より 著者:小林多喜二
ものめったり、坑木に額を打ちつけた。全身ドロと血まみれになった。途中、トロッコの
枕木につまずいて、巴投げにでもされたように、レールの上にたたきつけられて、又気を....
「土鼠と落盤」より 著者:黒島伝治
る。手のさきや、肩で一寸押したぐらいではびくともしない。全身の力をこめて、うんと
枕木を踏んばり、それで前へ押さなきゃならない。しかも力をゆるめるとすぐ止る。で、....
「崩れる鬼影」より 著者:海野十三
たまりません。私はあたりをキョロキョロ眺めながら歩いてゆくので、幾度となく線路や
枕木に蹴つまずいて、倒れそうになりました。 隧道の入口に近づいてみますと、昨夜....
「白痴」より 著者:坂口安吾
歩きだすことにしようと伊沢は考えていた。電車や汽車は動くだろうか。停車場の周囲の
枕木の垣根にもたれて休んでいるとき、今朝は果して空が晴れて、俺と俺の隣に並んだ豚....
「氷河」より 著者:黒島伝治
が施されているのではなかった。破壊されているのでもなかった。たゞ、パルチザンは、
枕木の下へ油のついた火種を入れておくだけだった。ところが、
枕木は炭焼竈の生木のよ....
「トロッコ」より 著者:芥川竜之介
事場に佇みながら、トロッコの来るのを眺めていた。すると土を積んだトロッコの外に、
枕木を積んだトロッコが一|輛、これは本線になる筈の、太い線路を登って来た。このト....
「行雲流水」より 著者:坂口安吾
ているのである。 クビだけ十間ほどコロコロころがったらしく、サラシ首のように、
枕木の上にチャンと立っているのである。大きな目の玉をむいている。おまけに、自分を....
「坑鬼」より 著者:大阪圭吉
出された二人の影法師に僅かな安堵を覚えながらそれでも夢中で駈けつづけた。レールの
枕木にでもつまずいてか突然後ろの影がぶッ倒れた。眼の前に片盤坑の電気が見えた。 ....
「駅夫日記」より 著者:白柳秀湖
繞って品川に落ちる、その水の淀んだところを亀の子島という。 大崎停車場は軌道の
枕木を黒く焼いて拵えた粗っぽい柵で囲まれている。その柵の根には目覚むるような苜蓿....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
口を出ると、ちょいと横向きの白い頸すじを見せた。 レールが間に四条。じっくりと
枕木も小砂利も濡れて、右も左も椴松の林が遠い、遠い、遠い。 「あれです、露西亜人....