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「枕辺〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

枕辺の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
奈々子」より 著者:伊藤左千夫
んも何べんもそれを繰り返しては涙を絞った。 夜が明けそうと気づいて、驚いてまた枕辺《まくらべ》にかえった。妻もうとうとしてるようであった。ほかの七、八人ひとり....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
立って、十右衛門が先ず声をかけると、障子は内から開かれた。障子をあけたのはお冬の枕辺に坐っていた若い男で、お冬は鬢も隠れるほどに衾《よぎ》を深くかぶっていた。男....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ているところへ、あたかもかの番頭の四郎兵衛が主人の使で勘蔵を見舞に来たので、その枕辺《まくらべ》ですぐにその相談をはじめると、相当の値段ならば引き取ってもいいと....
恐怖の口笛」より 著者:海野十三
は暗然と涙を嚥んだ。そして懐中を探ぐると一と揃いの覆面を出して、ソッとジュリアの枕辺に置いた。――これを見た大江山は始めて気がついたらしく、ハッと一郎の顔を睨ん....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
えると、小幡は笑っているばかりで取り合わなかった。しかし濡れた女はその後もお道の枕辺を去らなかった。お道がなんと云っても、夫は受け付けてくれなかった。しまいには....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
二等水兵! 川上機関大尉は、それを制して、硝子板をそこへおくと、いそいで杉田の枕辺にかけよった。 梨花はけなげにも、扉の外に立って、見張にあたる。窓硝子は、....
化銀杏」より 著者:泉鏡花
わば、すッと障子をあくると共に、銀杏返の背向に、あとあし下りに入り来りて、諸君の枕辺に近づくべし。その瞬時真白なる細き面影を一見して、思わず悚然としたまわんか。....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
|切はいつとはなしに、何所かえ消える、というよりか、寧ろ遠のいて了います。誰かが枕辺で泣いたり、叫んだりする時にはちょっと意識が戻りかけますが、それとてホンの一....
明日」より 著者:井上紅梅
著せ、ふだん好きなおもちゃを添え――泥人形一つ、小さな木碗二つ、ガラス瓶二本――枕辺に置いた。あとで王九媽が指折り数えて一つ一つ引合せてみたが、何一つ手落ちがな....
お住の霊」より 著者:岡本綺堂
おれた女が、悲しそうに悄然座って居りました。おやッと思う中に、その女はスルスルと枕辺へ這って来て、どうぞお助け下さい、ご免なすッて下さいと、乱れ髪を畳に摺付けて....
潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
ました。 ところが、はじめて床を出た今朝、ふと気がついてみますと、この花が私の枕辺から消えているのです。それが叔父さま、いつのまにか『|鷹の城』に来ていて、こ....
黄八丈の小袖」より 著者:岡本綺堂
「ああ気味が悪い。」 彼女は寝衣の袂で首筋のあたりを拭きながら、腹這いになって枕辺の行燈の微な灯かげを仰いだ時に、廊下を踏む足音が低くひびいた。 「おや、泥棒....
三枚続」より 著者:泉鏡花
じとてどうする事ぞ、右手に長煙草を提げたり。かねて煙草は嗜まぬから、これは母親の枕辺にあったのだろう、お夏はこの得物を取りに駆込んだのであった。 「お嬢さん。」....
妖怪報告」より 著者:井上円了
の段は、御判読を願いたく候。 三更、人定まり、四隣寂として声なし。小鳥、小生の枕辺に来たり、小生に訴えて申すよう、「限界もなき蒼空を住家となし、自在に飛揚し、....
飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
った。今日は忠一が昼から遊びに来ていたが、此雪の為に今夜は泊る事となって、市郎の枕辺で相変らず※の研究談に耽っていた。 「雪が降ると世間が静だね。」 「殊にここ....