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枕
「枕〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
枕の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
ているのは九時前後から夜伽《よとぎ》をする看護婦の甲野ばかりだった。甲野は玄鶴の
枕《まくら》もとに赤あかと火の起った火鉢を抱え、居睡《いねむ》りもせずに坐ってい....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
る》い兆《しらせ》がございました。中でも殊に空恐ろしく思われたのは、ある女房の夢
枕に、良秀《よしひで》の娘の乗ったような、炎々と火の燃えしきる車が一輛、人面《じ....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
人同士は飽《あ》くまでも彦星《ひこぼし》と棚機津女《たなばたつめ》とです。彼等の
枕に響いたのは、ちょうどこの国の川のように、清い天《あま》の川《がわ》の瀬音《せ....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
そうして宿へ帰って来ると、すぐに夥《おびただ》しく血を吐いた。
求馬は翌日から
枕についた。が、何故《なぜ》か敵《かたき》の行方《ゆくえ》が略《ほぼ》わかった事....
「奇遇」より 著者:芥川竜之介
抜いて渡してくれた。と思って眼がさめると、扇墜が見えなくなった代りに、いつか僕の
枕もとには、この指環が一つ抜き捨ててある。してみれば女に遇《あ》っているのは、全....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
けていた。
役所の勤めを抱えていた牧野は、滅多《めった》に泊って行かなかった。
枕もとに置いた時計の針が、十二時近くなったのを見ると、彼はすぐにメリヤスの襯衣《....
「金将軍」より 著者:芥川竜之介
を歩いて行った。するとたちまち道ばたに農夫の子らしい童児が一人、円《まる》い石を
枕にしたまま、すやすや寝ているのを発見した。加藤清正は笠の下から、じっとその童児....
「子供の病気」より 著者:芥川竜之介
急にいじらしい気がした。同時にまた無気味《ぶきみ》な心もちもした。Sさんは子供の
枕もとに黙然《もくねん》と敷島《しきしま》を啣《くわ》えていた。それが自分の顔を....
「黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
珍らしくそこへ横になりました。
その時お栄は御弾《おはじ》きをしながら、祖母の
枕もとに坐っていましたが、隠居は精根《せいこん》も尽きるほど、疲れ果てていたと見....
「黄粱夢」より 著者:芥川竜之介
行く――と思うと、急にはっと何かに驚かされて、思わず眼を大きく開いた。
すると
枕もとには依然として、道士《どうし》の呂翁《ろおう》が坐っている。主人の炊《かし....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
いた。
「あんな所に占《うらな》い者《しゃ》なんぞがあったかしら。――御病人は南
枕《みなみまくら》にせらるべく候か。」
「お母さんはどっち
枕だえ?」
叔母は半....
「死後」より 著者:芥川竜之介
みならずいくら本を読んでも、寝つかれないことさえ稀《まれ》ではない。こう言う僕の
枕もとにはいつも読書用の電燈だのアダリン錠《じょう》の罎《びん》だのが並んでいる....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
ければならぬ。見給え。鳥はもう静かに寐入《ねい》っている。羽根|蒲団《ぶとん》や
枕《まくら》を知らぬ鳥は!
鳥はもう静かに寝入っている。夢も我我より安らかであ....
「海のほとり」より 著者:芥川竜之介
すのだった。
Mの次の間《ま》へ引きとった後《のち》、僕は座蒲団《ざぶとん》を
枕にしながら、里見八犬伝《さとみはっけんでん》を読みはじめた。きのう僕の読みかけ....
「寡婦」より 著者:秋田滋
行ったのでしょう。気がついた時には、私は自分の寝室に身を横たえていたのです。私の
枕もとには母がおりました。 私はそうした事がすべて、怖ろしい精神錯乱のうちに見....