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林檎
「林檎〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
林檎の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「文章」より 著者:芥川竜之介
た。
この時大きい柱時計の静かに十二時半を報じたのは云わばニュウトンの足もとへ
林檎《りんご》の落ちたのも同じことである。保吉の授業の始まるまではもう三十分待た....
「葱」より 著者:芥川竜之介
《や》つ頭《がしら》、小松菜《こまつな》、独活《うど》、蓮根《れんこん》、里芋、
林檎《りんご》、蜜柑の類が堆《うずたか》く店に積み上げてある。その八百屋の前を通....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
果物の籠をそこへ残して、気忙《きぜわ》しそうに茶の間を出て行った。果物の籠には青
林檎《あおりんご》やバナナが綺麗《きれい》につやつやと並んでいた。
「どう? お....
「路上」より 著者:芥川竜之介
……
その空が全く暗くなった頃、彼はその通りのある珈琲店《カッフェ》で、食後の
林檎《りんご》を剥《む》いていた。彼の前には硝子《ガラス》の一輪挿しに、百合《ゆ....
「星座」より 著者:有島武郎
た。濛々《もうもう》と立ち罩《こ》めた煙草《たばこ》の烟《けむり》と、食い荒した
林檎《りんご》と駄菓子。
柿江は腹をぺったんこに二つに折って、胡坐《あぐら》の....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
醒めだ。」と、衣紋を揺って、ぐっと袖口へ突込んだ、引緊めた腕組になったと思うと、
林檎の綺麗な、芭蕉実の芬と薫る、燈の真蒼な、明い水菓子屋の角を曲って、猶予わず衝....
「三つのなぜ」より 著者:芥川竜之介
一 なぜファウストは悪魔に出会ったか? ファウストは神に仕えていた。従って
林檎はこういう彼にはいつも「智慧の果」それ自身だった。彼は
林檎を見る度に地上楽園....
「茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
ぐれに山から出て来た、もの売で。―― 売るのは果もの類。桃は遅い。小さな梨、粒
林檎、栗は生のまま……うでたのは、甘藷とともに店が違う。……奥州辺とは事かわって....
「露肆」より 著者:泉鏡花
餡掛、一品料理、一番高い中空の赤行燈は、牛鍋の看板で、一山三銭二銭に鬻ぐ。蜜柑、
林檎の水菓子屋が負けじと立てた高張も、人の目に着く手術であろう。 古靴屋の手に....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
していらっしゃるわね」 彼等は僕には女生徒よりも一人前の女と云う感じを与えた。
林檎を皮ごと噛じっていたり、キャラメルの紙を剥いていることを除けば。……しかし年....
「醜い家鴨の子」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
れます。で、とうとう、まだ彼が無我夢中でいる間に大きな庭の中に来てしまいました。
林檎の木は今いっぱいの花ざかり、香わしい接骨木はビロードの様な芝生の周りを流れる....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
の夜ながを年老いたオランダ人の女房連とすごし、彼女たちが炉ばたで糸をつむぎ、焼き
林檎が炉にならんでぷつぷつ音を立てているとき、そのふしぎな物語に聞きいることだっ....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
ありさまなり。左の二首はそのときの所感を写す。 遥訪車、老農猶守古賢廬、壁間留得
林檎影、知是千秋不朽書。 (はるかにぽつんとある村を訪ねて、日暮れに車をとどめた....
「北海道に就いての印象」より 著者:有島武郎
だ。 私が学生々活をしていた頃には、米国風な広々とした札幌の道路のこゝかしこに
林檎園があった。そこには屹度小さな小屋があって、誰でも五六銭を手にしてゆくと、二....
「押しかけ女房」より 著者:伊藤永之介
「一寸そこで休んで行こう、話したいことがあるんだよ」 神明社の少し先の、左側に
林檎畑のあるところに来かかつたとき、佐太郎はグイとその畑の方に女の手をひいた。 ....