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「林道〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

林道の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
梓川の上流」より 著者:小島烏水
圧して荒海の気魄、先ず動くのである。 川の両岸――といっても堤《どて》を築いた林道を除く外は、殆ど水と平行している――には、森林がある、樅《もみ》、栂《つが》....
恐怖城」より 著者:佐左木俊郎
の海! 火の海! 一面の落ち葉は陽に映えて火のように輝いていた。そして、湿っぽい林道の両側には熊笹《くまざさ》の藪《やぶ》が高くなり、熊笹の間からは闊葉樹《かつ....
単独行」より 著者:加藤文太郎
力に縋らずして命を全うすることを得ざるなり、有難く感謝せり。それより道を下る、森林道にてなかなかよし、途中にて堤燈をつけ歌を唱いて下る。無事カッパの橋の人家ある....
花物語」より 著者:寺田寅彦
幸な人という感じが、初めて会うた時から胸に刻みつけられてしまった。ある夏演習林へ林道敷設の実習に行った時の事である。藤野のほかに三四人が一組になって山小屋に二週....
白峰山脈縦断記」より 著者:小島烏水
、やっと満腹した。 それから大樺谷を右左に、石伝いに徒渉すると、窮渓が開けて、林道となった、材木の新しく伐り倒された痕を見つけて、もう人がいると思った、羊歯や....
不尽の高根」より 著者:小島烏水
にも石楠花が枝越しに上からのぞき込む。その天空に浮遊するかの如き、嶮にして美なる林道を「天の浮橋」と呼ぶそうであるが、何よりも喬木林の陰森さにおどろかされる。木....
愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
僕とが鎌倉で無名の社に詣でたときこれを経験したではないか。さて私はS君と滑らかな林道を辿った。私の心には懐しき尊さが訪れて僕はそれと応接すべくS君とは口を利かな....
灯明之巻」より 著者:泉鏡花
匠、右の趣向の、ちんどん屋……と奥筋でも称うるかどうかは知らない、一種広告隊の、林道を穿って、赤五点、赤長短、赤大小、点々として顕われたものであろう、と思ったと....
新西遊記」より 著者:久生十蘭
立って歩きだした。 屋根のかかった支那風の石橋を渡り、楡や柳の芽が青く萌えた法林道場の広い庭を横切って、その奥の大きな邸の前へ行った。どういう人の邸かとたずね....
白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
明くれば天長節、満空一点の雲もない好天気だ。裏の滝壺で顔を洗う、握飯を腰にして平林道の峠を上る、幾十折、雑木を抜けると焼畑がある。また林に入る。暑さに苦しみなが....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
その下に美しい銀砂が厚く敷いてある。そうしてそこで一問答が終りますと 今度は法林道場というやはり麗わしい樹の繁った花も咲いて居るところの道場へみな寄り集まるん....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
間の裾野一帯が落葉松林でしてね。や、翁草がずいぶん咲いていましたぜ。あの幅の広い林道を材木をつけた二輪馬車がカラカラカラと通るのです。霧のような雲が流れてね。や....
釜沢行」より 著者:木暮理太郎
、三繋平へ登ったならば、国師岳を踰えて金山沢を下り、更に釜沢に入り、甲武信岳から林道を栃本に出ようというのが第二案であった。然しどれも皆知らぬ沢である上に、どう....
黒部川を遡る 」より 著者:木暮理太郎
足の食料品を補充し、支度が済んで出懸る頃には、雲が割れて久振りに青空が見られた。林道は依然として左岸に通じている。こぼれ懸る露にしとど濡れながら木の間を抜けると....
針木峠の林道 」より 著者:木暮理太郎
利便を得たと共に、単に登山という見地からいえば、惜しいことであるともいえる。この林道は畠山の小屋附近までは、既に前年造られてあったもので、それから上の部分が今年....