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果し合い
「果し合い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
果し合いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「三右衛門の罪」より 著者:芥川竜之介
衛《きぬがさたへえ》の次男|数馬《かずま》と云う若者を打ち果《はた》した。それも
果し合いをしたのではない。ある夜《よ》の戌《いぬ》の上刻《じょうこく》頃、数馬は....
「鳥辺山心中」より 著者:岡本綺堂
源三郎も負けずに睨み返した。武士と武士とが押っ取り刀で河原へゆく――それが真剣の
果し合いであることは、この時代の習いで誰も知っているので、お染は顔の色を変えた。....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
ゝゝゝ。」 老人はそれからつゞけて幕末の武家の生活状態などを色々話してくれた。
果し合いや、辻斬や、かたき討の話も出た。 「西鶴の武道伝来記などを読むと、昔はむ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
は気が気でない、彼が老巧な眼識を以て見れば、これは尋常の立合を通り越して、もはや
果し合いの域に達しております。社殿の前の大杉が二つに裂けて両人の間に落つるか、行....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
愛らしい兵馬が助かる。お浜の決心は急速力で根強く、ついにここまで進んで来ました。
果し合いを明朝に控えて、ともかくも眠っていられるだけの余裕《よゆう》が竜之助には....
「くろがね天狗」より 著者:海野十三
たのでござりまするか」 虎松は思いがけない半之丞に巡りあって、殺人鬼と権四郎の
果し合いなど問題ではなくなった。半之丞は一向手応えがない、黙として、風のように抜....
「松の操美人の生埋」より 著者:三遊亭円朝
、「どっこい此方にも」と鉄砲を附けました、すると粥河は面色を変えまして、これから
果し合いを為まするお話、一寸一息|吐きまして申し上げます。 引続きまして、山三....
「街はふるさと」より 著者:坂口安吾
ものにきまってらアな」 ちょッと凄んでみせた。 「返り血をあびて真ッ赤にそまる
果し合いのようなものは、オレがやっても、目がくらんだ気持にならアな。ひどく冷静で....
「二人町奴」より 著者:国枝史郎
、諸戸新吾と申す者、貴殿の部下たる矢部藤十殿に、鞘当てのことより意趣となり、双方
果し合い致したるところ、卑怯にも矢部殿には数人を語らい、諸戸新吾を打ち挫き、恥辱....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
の乾兒達も、そう叫ぶと脇差を一斉に抜いた。 親分猪之松と林蔵とが、二人ばかりの
果し合いに、今も白刃を構えている、親分の命で手出しが出来ない、謂う所の脾肉の嘆!....
「落語・教祖列伝」より 著者:坂口安吾
んだ。わかったか」 とうとう二人は明朝太陽の登る時刻に、ホコラの前でナギナタの
果し合いをすることになった。 馬吉のオカカは、どうも近頃アネサの様子が変だと思....
「落語・教祖列伝」より 著者:坂口安吾
駈けつけると、十一名の悪侍が、美しい娘を二人つれたオジイサン侍にインネンをつけ、
果し合いになったのである。悪侍の親玉は手の立つ奴と見えて、片手はフトコロ手をした....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
というのかも知れない。ゲリラや野武士が一番心配するのは酒席の喧嘩やそこから発した
果し合いなぞかも知れず、紳士のタシナミにしてはいささか神経の行き届きすぎたウラミ....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
神や、半神や、
英雄や、悪魔までが、今|勾引すかと思えば、また騙して
堕落させ、
果し合い、あちこちへ流離わせ、迷の衢を
どことなく引き廻して歩かせ、一度ならず、....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
蝸牛の角の上で武者人形のような小さい男が二人とも甲冑に身を堅め、栗毛の馬に跨って
果し合いをしている。 「えい! 」と元気よく槍をしごいて、互に渡り合った。可哀相....