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「果し状〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

果し状の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
妖婆」より 著者:芥川竜之介
しました。その時は思わずぞっとしたと、新蔵が後で話しましたが、これは成程あの婆に果し状をつけられたようなものですから、気味が悪かったのには、相違ありますまい。し....
自転車日記」より 著者:夏目漱石
き状態に陥るのやむをえざるに至れり、さりながら妙齢なる美人より申し込まれたるこの果し状を真平《まっぴら》御免蒙《ごめんこうむ》ると握りつぶす訳には行かない、いや....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
参らば、主水之介、眉間傷の威を以って応対いたそう。参れ」 くるくると巻いてその果し状を小柄へ結いつけると、 「少し痛いぞ。天罰じゃ。我慢せい」 プツリと背中....
丹下左膳」より 著者:林不忘
正、ちょっとここへはいって来い」 五 お蓮様には逃げられる。 源三郎からは、果し状をつきつけられる。 なんとかして、一寸のばしに逃れようと、立会人がなけれ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
チッと、自分から鞘当《さやあ》てを試みました。 武士として鞘当てを受けたのは、果し状をつけられたようなものであるにかかわらず、その武家は知らぬ顔に、人混みに紛....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
橋辻《あかばねばしつじ》まで御越《おこし》あり度」 「うむ、小癪《こしゃく》な果し状」 竜之助は手紙をポンと投げ出して、夜具を蹴って起き直りました。 「坊や....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
げ込まれた投げ文なるものは、確かに道庵に向って、生命を脅《おびやか》すに足るべき果し状同様なものでありました。 道庵は、米友にさえ聞かすことを憚《はばか》り怖....
松の操美人の生埋」より 著者:三遊亭円朝
山の松屋に匿まって置く事から、外見の場所でこれ/\耻しめた事から、掛合いに参って果し状を附けて、今晩粥河と出合をして、それから圖書が降参して、遂に改心して、隠家....
剣侠」より 著者:国枝史郎
まおう。……諸人に迷惑さえかけなかったら、何をやってもいいわけだ) そこで彼は果し状を認め、こっそり猪之松へ持たせてやった。 ――諸人はかかわりなく二人だけ....
夜光虫」より 著者:織田作之助
だ惜しいからな」 と、豹吉は笑った。 「ノンキやなア、兄貴は。これ、隼団からの果し状やぜ」 「判つてる。しかし、お前どうしてこれを……」 手に入れたのかと、....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
他御一門と、名宛ても不敵に、新免宮本武蔵と、ただ一人名前で、打つけてよこしたその果し状を」 武蔵は今、どこにいるのか、居所は認めてないので、その書面からは知り....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
もうしない方がよい。いよいよ、小幡軍学所の名折れを増すばかりだ」 「では、再度の果し状か」 「たとい、何度敗れても、このまま退くわけにはゆくまい」 「もとよりだ....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
卑怯と申すものじゃ。小次郎を討たんとするなら、なぜ自身、小次郎の住居へゆくなり、果し状をつけて、堂々と、名乗りかけんか」 「……そ、それも、考えぬではござりませ....