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果報者
「果報者〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
果報者の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
には聞こえ、渡瀬を誘惑するように渡瀬には聞こえるそんな調子で。
「何しろ新井田は
果報者だて」
渡瀬は往来に出て、寒い空気に触れるにつけて、暖かそうな奥さんの笑....
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
隠れていて、藻は彼の娘であったか。親にも生まれまさった子を持って、彼はあっぱれの
果報者《かほうもの》じゃ」 藻が父の名をつつんだ子細もそれで判った。勅勘の身を....
「振動魔」より 著者:海野十三
来る夜を紅閨に擁することの許された吾が友人柿丘秋郎こそは、世の中で一番不足のない
果報者中の
果報者だと云わなければならないのだった。若し僕が、仮りに柿丘秋郎の地位....
「あやつり裁判」より 著者:大阪圭吉
、「つぼ半」の女将はまさに正当な証人ってことになるんです……全く、その書生ッぽは
果報者ですよ。おまけに証人は特製の別嬪と来てるんですから、冥利につきまさアね……....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
一等の美人だからな』『うまくやったは伴源之丞、あの園女を手中に入れ、他国するとは
果報者だ』『そのまた伴源之丞と来ては、家中一番の美男だからな。似合いの夫婦という....
「神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
こんなことを呟いた。「桔梗様にも愛されているし、君江どんにも愛されている。色男の
果報者というやつさ。……だが待てよ」と考え込んだ。「いかに何んでもこいつはいけな....
「くろがね天狗」より 著者:海野十三
ぬこととなさるので厶る。そしてこの興味ある討伐を、われ等の英雄にして、今夜随一の
果報者たる花婿権四郎めに譲るので厶る。いかがで厶るナ?」 「名案じゃ」「名案、名....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
ちは六月の終わりに結婚することに決まっていた。したがって、当時印度における一番の
果報者であると自ら公言している際、しかも私のようにキッティを愛している場合、あま....
「前記天満焼」より 著者:国枝史郎
「こんな商売、情夫がなくては、立ち行くものじゃアありませんよ」 「一体どいつだ、
果報者は」 勿論大学怒ったのではない。語気を強めて云ったまでである。 怒るよ....
「善悪両面鼠小僧」より 著者:国枝史郎
たのでござろうよ」 「狐かな? 狸かな?」 「狐にしろ狸にしろ、いやどうもとんだ
果報者だ」 「あのお美しい姫君を、お寝間で占めるとは羨ましい次第」 「狐狸の身分....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
「…………」 「栞殿のような、美しい、賢い、無邪気な娘ごに恋される男、何者やら、
果報者でござるよ」 「…………」 「相手の殿ごも、栞殿を愛しておられますかな?」....
「ドーヴィル物語」より 著者:岡本かの子
に永訣しなければならなくなった世にも憐れな落胆者小田島は、また同時に世にも羞しい
果報者となってホテルへ帰った。イベットが訪ねて来る十時半にはもう一時間とは無い。....
「藤十郎の恋」より 著者:菊池寛
』と云う噂であった。 『偽にもせよ、藤十郎殿から恋をしかけられた女房も、三国一の
果報者じゃ』と、艶めいた京の女達は、こう云い添えた。 こうした噂までが、愈が上....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
おのればかりは無事にここまで登り着いたは、運が強いか、力が強いか、いずれにしても
果報者じゃ。その果報にめでて今日ばかりは助けてやる。再びまいるな。」 言い捨て....
「夢がたり」より 著者:ガールシンフセヴォロド・ミハイロヴィチ
う、でないまでも結局はお前さんの子孫のためだろう。ところがみんながみんな、そんな
果報者じゃないんだぜ。……物はためしだ、まあお前さんもこの僕みたいに、お上の御用....