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果敢
「果敢〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
果敢の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
作地の上で二人は巣に帰り損《そこ》ねた二匹の蟻《あり》のようにきりきりと働いた。
果敢《はか》ない労力に句点をうって、鍬の先きが日の加減でぎらっぎらっと光った。津....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
る破風呂敷を開いて、式のごとき小灯が、夏になってもこればかりは虫も寄るまい、明の
果敢さ。三束五束附木を並べたのを前に置いて、手を支いて、縺れ髪の頸清らかに、襟脚....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
よって生じた軍制上、戦術上の変化を達観して、その直感力により新しい戦略を発見し、
果敢に運用したのが不世出の軍略家ナポレオンであります。即ちナポレオンは当時の用兵....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
孫子の影も見はしませぬ。爺殿と二人きりで、雨のさみしさ、行燈の薄寒さに、心細う、
果敢ないにつけまして、小児衆を欲しがるお方の、お心を察しますで、のう、子産石も一....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
出された。 あとの事は何も知らず、その時から、津々浦々をさすらい歩行く、門附の
果敢い身の上。」 二十三 「名古屋の大須の観音の裏町で、これも浮世....
「女客」より 著者:泉鏡花
は一気に、思い切っていいかけた、言の下に、あわれ水ならぬ灰にさえ、かず書くよりも
果敢げに、しょんぼり肩を落したが、急に寂しい笑顔を上げた。 「ほほほほほ、その気....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
遣らず、死にも遣らねば生きも遣らず、呻き悩んでいた所じゃ。 また万に一つもと、
果敢い、細い、蓮の糸を頼んだ縁は、その話で、鼠の牙にフッツリと食切られたが、……....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
自ら名告った。渠はもとより両親も何もない、最愛の児を失い、最愛の妻を失って、世を
果敢むの余り、その妻と子の白骨と、ともに、失うべからざるものの一式、余さずこの古....
「菎蒻本」より 著者:泉鏡花
で、ほんとにはなさりますまい。第一そんな安店に、容色と云い気質と云い、名も白露で
果敢ないが、色の白い、美しい婦が居ると云っては、それからが嘘らしく聞えるでござい....
「初雪」より 著者:秋田滋
帳子にしようと自分が選んでおいたあの絹衣につつまれた白骨をとどめるのみで、あわれ
果敢なく朽ちはてているであろう。 彼女はもうこの世の人ではあるまい。世のなかの....
「瓜の涙」より 著者:泉鏡花
のないのは知れているのに、跫音にも、けたたましく驚かさるるのは、草の鶉よりもなお
果敢ない。 詮方なさに信心をはじめた。世に人にたすけのない時、源氏も平家も、取....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
水に臨んだ岸にひょろひょろとした細くって低い柳があたかも墓へ手向けたもののように
果敢なく植わっている。土手は一面の蘆で、折しも風立って来たから颯と靡き、颯と靡き....
「活人形」より 著者:泉鏡花
羊のとぼとぼと、廊下伝いに歩は一歩、死地に近寄る哀れさよ。蜉蝣の命、朝の露、そも
果敢しといわば言え、身に比べなば何かあらむ。 閻王の使者に追立てられ、歩むに長....
「罪人」より 著者:アルチバシェッフミハイル・ペトローヴィチ
しい疲が全く去ってしまったような心持になった。気の利いたような、そして同時に勇往
果敢な、不屈不撓なような顔附をして、冷然と美しい娘や職工共を見ている。へん。お前....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
尾し来たり、九月三十日ゾール附近に於て大王の退路近くに現出した。大王はこれを見て
果敢に攻撃を行ない敵に一大打撃を与えたけれども、永くベーメンに留まる事が出来ず、....