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「枝振り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

枝振りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
の松では死ぬ気にならん。見ると、うまい具合に枝が往来の方へ横に出ている。ああ好い枝振りだ。あのままにしておくのは惜しいものだ。どうかしてあすこの所へ人間を下げて....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
う春らしい日影がやわらかに流れ込んで、そこらにならべてある鉢植えの梅のおもしろい枝振りを、あかるい障子へ墨絵のように映していた。あつらえの肴《さかな》の来るあい....
「不尽の高根」より 著者:小島烏水
とうに後になって思い知った。 頼んだ強力のくるまで、欄干によって庭を見ている。枝振りのいい松に、頭を五分がりにした、丸々しいツツジや、梅などで囲んだ小池があっ....
「霊界通信　小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
ましたが、私にはそれが却って可愛らしくてなりませんでした。 『でも、人間は、この枝振りが気に入らないなどと言って、時々鋏でチョンチョン枝を摘むことがあるでしょう....
「樹を愛する心」より 著者:豊島与志雄
では之を不老長生の霊水と称したという、あの珍らしい水木である。幹がすらりとして、枝振りが重々しく、落葉期の今でも、風が吹けばしきりに頭を振る。それが、崖の中途に....
「番町皿屋敷」より 著者:岡本綺堂
い座敷の床の間には、お菊がけさ生けた山吹が黄い花をたわわに垂れていた。彼女はその枝振りを心ばかり矯め直して、正面にかけてある三社の托宣の掛軸を今更のように眺めた....
「魔像」より 著者:林不忘
まだ残暑をしのばせる激しいものがある。さんさんと霧雨のような陽が降って、遠くは、枝振りの変った松の若木が、一色ずつうすく、霞んで見えるのだ。 まことに結構な眺....
「朱絃舎浜子」より 著者:長谷川時雨
、水の面《おも》の方へ眼をやっていた。 五月の潮の、ふくれきった水面は、小松の枝振りの面白い、波｜除《よ》けの土手に邪魔もされず、白帆《しらほ》をかけた押送《....
「淡紫裳」より 著者:佐藤垢石
松もいい。岩山には土が浅いと見えて松の育ちは悪いのであるが、育ちが悪いだけに松の枝振りは風流である。浅間火山の六里ヶ原に生えている松に似ている。徳沼という駅の前....
「唇草」より 著者:岡本かの子
市外にあった。今は埋められて金蓮花の畑地にした平地の上に架かっている切石の橋や、枝振りよく枯れて立っている亀島の松によって、庭園は相当凝った、小堀遠州系の池泉廻....
「ガルスワーシーの家」より 著者:岡本かの子
。丘の表面には萱、えにしだ、野｜薔薇などが豊かに生い茂り、緻密な色彩を交ぜ奇矯な枝振りを這わせて丘の隅々までも丹念な絵と素朴な詩とを織り込んで居る。景子のロンド....
「伝通院」より 著者:永井荷風
あった。殊に自分が呱々《ここ》の声を上げた旧宅の門前を過ぎ、その細密《こまか》い枝振りの一条《ひとすじ》一条にまでちゃんと見覚えのある植込《うえごみ》の梢《こず....
「霊廟」より 著者:永井荷風
には敷石に添うて幾株の松や梅が植えられてある。これらの植物の曲って地に垂れたその枝振りと、岩のようにごつごつして苔に蔽われた古い幹との形は、日本画にのみ見出され....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
。 私たち活花を活けるときによく経験することですが、一本の枝を取ってみて、この枝振りも面白くない、あの枝振りも面白くないと言って切り捨ててしまいます。枝ばかり....
「獄中通信」より 著者:戸坂潤
カリ変った服飾など見てウタタ感慨が深かったが、夜があけると世界は一変して、妙なる枝振りの林檎、桃、水蜜、杏、牡丹桜八重桜（欝金もあり）、散り残りの山桜、木蓮、海....