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枡
「枡〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
枡の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「伝吉の敵打ち」より 著者:芥川竜之介
くぼ》にいる叔父《おじ》のもとに下男《げなん》同様に住みこむことになった。叔父は
枡屋善作《ますやぜんさく》(一説によれば善兵衛《ぜんべえ》)と云う、才覚《さいか....
「ひょっとこ」より 著者:芥川竜之介
く、赤い顔をしずにいるのはほんのその当座だけで、いつでも「一合位は」からだんだん
枡数《ますかず》がふえて、半月とたたない中に、いつの間にかまた元の杢阿弥《もくあ....
「「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
。
模様が平行線としての縞から遠ざかるに従って、次第に「いき」からも遠ざかる。
枡《ます》、目結《めゆい》、雷《らい》、源氏香図《げんじこうず》などの模様は、平....
「硝子戸の中」より 著者:夏目漱石
安兵衛《ほりべやすべえ》が高田の馬場で敵《かたき》を打つ時に、ここへ立ち寄って、
枡酒《ますざけ》を飲んで行ったという履歴のある家柄《いえがら》であった。私はその....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
の上着のポケットから内輪に手を出し、ちょっと指してそういった。 そこは靠れ壁の
枡目の幾側かに取り囲まれ、花の芯にも当る位置にあった。硝子と青銅で作られた小さい....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
た。 たった一人の見物ですから、藤崎さんは無論に割込みです。そのころの平土間一
枡は七人詰ですから、ほかに六人の見物がいる。たとい丸腰でも、髪の結い方や風俗でそ....
「火星探険」より 著者:海野十三
、全身を神経にして、どんなことが起るかと待ちかまえていた。 博士の前に、四角な
枡型《ますがた》の写真が六個、縦に四個左右に一個|宛《ずつ》、花のようにならんで....
「ピタゴラスと豆」より 著者:寺田寅彦
というものの名前ぐらいは覚えているであろう。直角三角形の一番長い辺の上に乗っけた
枡形の面積が他の二つの辺の上に作った二つの
枡形の面積の和に等しいというのである。....
「首のない騎馬武者」より 著者:田中貢太郎
うしても他へ往くことができなかった。そこでふと気をつけてみると、己の周囲には城の
枡形らしい物の影が映っていた。大手の址はあっても建物も何もないのに
枡形の映るは不....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
いもつれであった。もはやそこには斜面もなかった。死骸はその凹路を平地と水平にし、
枡《ます》にきれいにはかられた麦のようにその縁と平らになっていた。上部は死骸《し....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
は油屋角屋などという、なかば遊女屋を兼ねたような、堂々としたものがあり、名所には
枡形があり、旧蹟には、石の風車ややらずの石碑や、そういうものがありもした。街道を....
「かもじの美術家」より 著者:神西清
うした獣めいた御面相にさえも、よしんば束の間のこととはいえ、たとえば伯爵が劇場の
枡に納まっている時など、余人にはあまり見られぬ堂々たる威厳が見えているといったふ....
「ムツェンスク郡のマクベス夫人」より 著者:神西清
ら釣りあげられ、暫くはそのまま両手でぎゅっと抱きしめられたあげく、引っくり返しの
枡の上にふわりとおろされた。 カテリーナ・リヴォーヴナは、得意の腕っぷしを使お....
「漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
拝啓 昨日は失敬本日学校でモリスに聞いて見た所二十八日の喜多の能を見に行くから
枡を一つ(上等な所。あまり舞台が鼻の先にない所を)とってもらいたいという事であり....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
ある。大蔵省でマルを量る衡がおよそ二十種ばかりある。それから麦、小麦、豆等を量る
枡も三十二種ある。それはみな大小異なって居るので、まずボーチクというのがほぼ我が....