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枢要
「枢要〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
枢要の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十八時の音楽浴」より 著者:海野十三
人はペンとバラに代って、この室に居残った。人造人間はそれぞれミルキ国人に代って、
枢要なる配置についたのだった。 博士は今や第三の目盛板を廻した。 すると、静....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
ことでK・S氏の作品展覧会は、逸作の奔走により、来着後数日ならずして、市中の最も
枢要な場所に在るデパートに小ぢんまりした部屋を急造させて賑やかに開催された。 「....
「地図をながめて」より 著者:寺田寅彦
りでなく人間の交通範囲は地下にも拡張される傾向がある。 関東大震後に私は首都の
枢要部をことごとく地下に埋めてしまうという方法を考えたことがある。重要な官衙や公....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
ある、自己の地位を自己で保つ能力の欠乏して居ることを現わして居るものである。此の
枢要《すうよう》の地を材略武勇の足らぬものに托《たく》して置くことは出来ぬ。まし....
「技術の哲学」より 著者:戸坂潤
ブノルマルな弊害に外ならないだろう。ブルジョア教育制度は初め、学問の蘊奥や国家に
枢要な知識や人材や良妻賢母等々のありと凡ゆる理想の下に、もっと「健全」な計画を立....
「イデオロギーの論理学」より 著者:戸坂潤
る。それ故特殊の問題であっても――即ちかの形而上学的根本問題でないにしても――、
枢要な他の諸根本問題を展開する糸口となることの出来る場合はあるかも知れない。この....
「日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
ならぬ統制意図自身によって、容易に構成され得たものであった。忠良なる臣民と国家に
枢要なる人物の養成は、統制的教育の理想であり得た。併し学術の世界では必ずしもそう....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
識もまだ持っていなかったから、要するに批判的知能は低かった。また日本の支配機構の
枢要な椅子を占めるブルジョア・地主・政治家・軍閥・官僚・其の他は、日本では社会の....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
では絶対に必要なのである。第一日本に於ては学術そのものが国家に(社会にではない)
枢要なものでないといけないらしいが、その国家で建てた、又は之に準じている大学の学....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
。この頃は男子は婦人と共に邸内は勿論邸外に同行する事は余りなかった。殊に父は藩の
枢要の役をしていたから、なお厳重であった。私の知る所では、祖母や母なども、父と共....
「広場のべンチ」より 著者:豊島与志雄
耳に囁いてくれる者があった。それによると、岩田は当局筋に取り入って、警察予備隊の
枢要な地位を獲得しており、未発表だが、それはもう確定した事実だとのことだった。こ....
「アーニイ・パイルの前に立ちて」より 著者:小林一三
らず、東京電灯に帰すべきその用地の大半は、航空会社に徴用され、辛うじて三角尖端の
枢要地六百余坪を所有しえたるも、これまた戦局の進展とともに航空会社に包容せらるる....
「西航日録」より 著者:井上円了
およそ一千四百五十海里なり。 シンガポールはマラッカ海峡咽喉の地にありて、実に
枢要の港口なり。万国の船これに出入し、万国の人ここに輻湊し、その盛況これを十四年....
「濹東綺譚」より 著者:永井荷風
たからである。創作「失踪」の実地観察。ラディオからの逃走。銀座丸ノ内のような首都
枢要の市街に対する嫌悪。其他の理由もあるが、いずれも女に向って語り得べき事ではな....
「語呂の論理」より 著者:中谷宇吉郎
ているらしかった。 「いくら研究の自由だからと言っても、ちゃんと大学令に、国家に
枢要《すうよう》なる研究の蘊奥《うんのう》を極めとある以上、(本当はそんなことは....