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枯れる
「枯れる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
枯れるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
失敗だった。が、わたしを造り出したものは必ず又誰かを作り出すであろう。一本の木の
枯れることは極めて区々たる問題に過ぎない。無数の種子を宿している、大きい地面が存....
「或る女」より 著者:有島武郎
しく震わして、倉地から絶縁されてしまったもののように、さびしく哀《かな》しく涙の
枯れるかと思うまで泣くのだった。静まりきった夜の空気の中に、時々鼻をかみながらす....
「グッド・バイ」より 著者:太宰治
や。」 「私も見たいわ。そうして、ぶってやりたいわ。捨てりゃ、ネギでも、しおれて
枯れる、ってさ。」 「なんだ、身の上話はつまらん。コップを借してくれ。これから、....
「浮動する地価」より 著者:黒島伝治
しまった樹木が、だん/\に、どこからともなく枯れかけて、如何なる手段を施しても、
枯れるものを甦らすことは出来ないように死んでしまった。 土地も借金も同時になく....
「梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
十一年から三年間病臥して居られたが、それといっても決して病気ではない。ただ樹木の
枯れるように手足が不叶いになられただけで、健康には申分なく、そのまま枯れ果てて三....
「善蔵を思う」より 著者:太宰治
色の小さい虫が、どの薔薇にも、うようよついていたのを、一匹残さず除去してやった。
枯れるな、
枯れるな、根を、おろせ。胸をわくわくさせて念じた。薔薇は、どうやら枯れ....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
策に来たこともあるが、オレはそれ、この霊感の人相判断。ジッと見て、石松の相に立ち
枯れる若木の相があって身を食い枯らす悪虫が這っていると見てとったから、金を貸して....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
るはずの肉親の愛ですら、何かの不自然を敢えてすることによって、或はゆらめき、或は
枯れる。意義と理性とによって、その不自然を出来るだけ自然に近づけて行くことを知ら....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
ろか、それは私の生命の花であり、私の生命のあるかぎりは、たとえ根はなくとも決して
枯れることのない花なのです。私はその花を、根のないままに私の胸にさして一生を終わ....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
いうのだそうだが、うまいことを云うものだ。まったく草だ。踏んでも、つかみとっても
枯れることのない雑草のエネルギーを感じた。雑草は続々と丸ビル横のペーヴメントを流....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
をしたか知れないとさ。観音様に見えますと云って、凝と優しい姑の顔を見ながら、莟の
枯れる口を開けた、お母さんのおもいも、察するが可いよ。きみ、花を飾った駕籠に乗っ....
「明るき世界へ」より 著者:小川未明
そして、海の中に身を投げて死ぬほどの勇気もなく、いたずらに、醜く年を取って木の
枯れるように死んでしまうことが、その美しい死に較べたら、どんなにか陰気で、また暗....
「しんぱくの話」より 著者:小川未明
かさです。 「自分の生活は、変わってしまったのだ。あの岩から引き離されたときは、
枯れると思ったのがこうして生きるばかりでなく、あのあらしから、吹雪から、もう、ま....
「親木と若木」より 著者:小川未明
かわいそうな、これでいいのだ。」 「なぜ、そんな元気のないのを持っていくんだい。
枯れるかもしれないよ。」 「だいじょうぶだよ。」 「なかなか、花が咲かないぜ。」....
「新古細句銀座通」より 著者:岸田劉生
っているけれど、西洋の審美は借りなくては内には生きていない。しかし用いないものは
枯れる。こうしている中に日本の審美はその生気を失い、今日ではもう全く枯れてしまっ....