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枯れ木
「枯れ木〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
枯れ木の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
雷門《かみなりもん》から縦に見た仲店。正面にはるかに仁王門が見える。樹木は皆
枯れ木ばかり。
3
仲店の片側《かたがわ》。外套《がい....
「早春」より 著者:芥川竜之介
深呼吸をするように体を伸ばした。それから大きい硝子戸棚《ガラスとだな》の中に太い
枯れ木をまいている南洋の大蛇《だいじゃ》の前に立った。この爬虫類の標本室はちょう....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
だけであった。ドレゴは不満であった。東洋人というやつは、なぜにこう人間味がなくて
枯れ木のようなんだろうと。 エミリーに一度会ってやることを薦《すす》めもしたが....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
りが提灯の火にきらりと映って、婆は抜き打ちに斬り倒された。かれは声も立てないで、
枯れ木を倒したように泥濘のなかに横たわった。武士は刀を納めて再び駕籠に乗ろうとす....
「春の鳥」より 著者:国木田独歩
した。するとキャッという女の声、驚いて下を見ますと、三人の子供は何に恐れたのか、
枯れ木を背負ったままアタフタと逃げ出して、たちまち石垣のかなたにその姿を隠してし....
「前哨」より 著者:黒島伝治
思えば、いつでも使えるのだ。九時すぎに、薪が尽きてきた。浜田は、昼間に見ておいた
枯れ木を取りに、初年兵の後藤をさそった。 「俺ら、若しもの場合に、銃を持って行く....
「花咲かじじい」より 著者:楠山正雄
てきて、ぱっと、灰をお庭いっぱいに吹きちらしました。するとどうでしょう、そこらに
枯れ木のまま立っていたうめの木や、さくらの木が、灰をかぶると、みるみるそれが花に....
「郊外」より 著者:国木田独歩
ことに、何だびっくりしたじゃアないかと怒鳴ってやッた。渠一向平気で、背負っていた
枯れ木の大束をそこへ卸して、旦那は絵の先生かときくから先生じゃアないまだ生徒なん....
「ヘンゼルとグレーテル」より 著者:楠山正雄
ととばかりおもっていました。でも、それはおのの音ではなくて、おとっつぁんが一本の
枯れ木に、枝をいわいつけておいたのが、風でゆすられて、あっちへぶつかり、こっちへ....
「怪しの館」より 著者:国枝史郎
九 ガッ! といったような気味の悪い悲鳴、一声立てたが切られた武士だ。
枯れ木仆しにそのままに、前方へドッと仆れたので、前に仆れていた死骸の上へ、蔽うよ....
「生死卍巴」より 著者:国枝史郎
、さまざまの村に住居している、住民達は里別郷別に、木を叩くとか竹法螺を吹くとか、
枯れ木に火をかけて煙りを上げるとか、そういうことをすることにしていた。 丹生川....
「加利福尼亜の宝島」より 著者:国枝史郎
一筋の太い血の迸りが、四尺余り吹き出したのは、物凄くも壮観である。土人はあたかも
枯れ木のようにドンと斃れて動かなくなった。 十九 斬ると同時に....
「大鵬のゆくえ」より 著者:国枝史郎
色の萎びた顔。蛇のように蜒っている無数の皺。その体の痩せていることは水気の尽きた
枯れ木とでもいおうか。コチコチと骨張って痛そうである。さて着物はどうかというに、....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
熱を持った眼であった。老人の体は、これ以上痩せられないというように、痩せていた。
枯れ木で人の形を作り、その上へ衣裳を着せたといったら、その姿を、形容することが出....
「風と木 からすときつね」より 著者:小川未明
女王になります。そして、私が、一声かけさえすれば、あのおじいさんのような、無骨な
枯れ木までが花を咲くのですよ……。」といったことを、北風は思い出した。それで、北....