枯れ枯れ[語句情報] » 枯れ枯れ

「枯れ枯れ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

枯れ枯れの前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
星座」より 著者:有島武郎
。いつの間にか彼は遊廓の南側まで歩いてきていた。往来の少ない通りなので、そこには枯れ枯れになった苜蓿《うまごやし》が一面に生えていて、遊廓との界に一間ほどの溝《....
のんきな患者」より 著者:梶井基次郎
心のときめきを感じているのだった。 ある日は吉田はまた鏡を持って来させてそれに枯れ枯れとした真冬の庭の風景を反射させては眺めたりした。そんな吉田にはいつも南天....
雪中富士登山記」より 著者:小島烏水
うに粘ッついている。朝日を反映さする金茶色の唐松と、輝やく紅葉――そのくせ、もう枯れ枯れに萎《しな》び返って、葉の尖《さき》はインキを注《さ》したように、黒くな....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
られているのであった。隣りの古い墓とのあいだには大きい楓が枝をかざして、秋の蝉が枯れ枯れに鳴いていた。墓のまえの花立てには、経師職の息子が涙を振りかけたらしい桔....
衝突心理」より 著者:夢野久作
末コッソリ蟹口の家の様子を覗きに行ってみると、裏庭の野菜や菊畑、屋根の南瓜の蔓も枯れ枯れになって、ペンペン草が蓬々と生えている廃屋の中に、泥酔した蟹口がグーグー....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
実は行きつ戻りつしていることに過ぎない。 そうして、蘆葦茅草《ろいぼうそう》が枯れ枯れに叢《くさむら》をなしているところ、それが全く断《き》れて石ころの堆《う....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ところなれば、住ままほしくぞ思召す。露むすぶ庭の荻原霜枯れて、籬《まがき》の菊の枯れ枯れに、うつろふ色を御覧じても、御身の上とや思しけむ、仏のおん前へ参らせ給ひ....
菜穂子」より 著者:堀辰雄
返しだけは、本当にやり切れないなあ。……」 そのとき漸《ようや》く森が切れて、枯れ枯れな桑畑の向うに、火の山裾に半ば傾いた村の全体が見え出した。家々からは夕炊....
大和路・信濃路」より 著者:堀辰雄
僕たちがそうやって窓に顔を一しょにくっつけて眺めていると、目《ま》なかいの、まだ枯れ枯れとした、春あさい山を背景にして、まだ、どこからともなく雪のとばっちりのよ....
雪の上の足跡」より 著者:堀辰雄
」という前書がある。そんな山のなかで、鷲の巣らしいものがかかっている、大きな楠の枯れ枯れになった枝を透いて日が真赤になってくるめき入る光景だろう。鷲の巣は見たこ....
源氏物語」より 著者:紫式部
かせても言った。 女王《にょおう》のお住まいになっているほうの庭を遠く見ると、枯れ枯れになった花草もなお魅力を持つもののように思われて、それを静かな気分でなが....
源氏物語」より 著者:紫式部
御自身のお心慣らいから秘密があるように察せられて、御不安がのけがたいのであろう。枯れ枯れになった庭の植え込みの中の薄が何草よりも高く手を出して招いている形が美し....