枯れ野[語句情報] » 枯れ野

「枯れ野〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

枯れ野の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
連句雑俎」より 著者:寺田寅彦
人であったことは以上の乏しい例証からもうかがわれる。芭蕉の辞世と称せられる「夢は枯れ野をかけ回《めぐ》る」という言葉が私にはなんとなくここに述べた理論の光のもと....
思い出草」より 著者:寺田寅彦
一 芭蕉の「旅に病んで夢は枯れ野をかけめぐる」はあまりに有名で今さら評注を加える余地もないであろうが、やは....
おとずれ」より 著者:国木田独歩
水瀦に映る雲の色は心|失せし人の顔の色のごとく、これに映るわが顔は亡友の棺を枯れ野に送る人のごとし。目をあげて心ともなく西の空をながむればかの遠き蒼空の一線....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
な人ではなかった。けれども彼の恩人に対する絶望の帰依心というものは、いまも歴史の枯れ野原のなかで、懐かしくかんばしい。ベエコンの場合では、そのような無考えなヒロ....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
けぬと、野火になる」 「案じ給うな。いくら燃え拡がっても、京都中は焼けッこない」枯れ野の一端に放けた火は、音を立てて、四十人以上もいる人々の顔を焦した。焔は、朝....
私本太平記」より 著者:吉川英治
へ逃げ込む騒ぎだったのだ。しかも暮正月を跨いでである。なんの因果でと、嘆きの声は枯れ野や冬山に充ち充ちても、血まなこな武者ばらには、何と無用な生き物の多さよと、....
大岡越前」より 著者:吉川英治
ないか、お島さん」 「困らないよ、私はちっとも。……花のお江戸も、私にとっちゃ、枯れ野の芒しか見えやしない。どうせもう、近いうちに、自訴して出るつもりでいるんだ....