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枯渇
「枯渇〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
枯渇の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「虚構の春」より 著者:太宰治
いて、私は、あのときぐらい有名になりたく思ったことございませぬ。のどが、からから
枯渇《こかつ》して、くろい煙をあげて焼けるほどに有名を欲しました。海野三千雄とい....
「ろまん灯籠」より 著者:太宰治
ったという事は完全に説明される。この本は、彼女の空想の源泉であるという。空想力が
枯渇すれば、この本をひらく。たちまち花、森、泉、恋、白鳥、王子、妖精《ようせい》....
「第五氷河期」より 著者:海野十三
民族の一部を救済せんとの目的をもって、ひそかにその事業を進行中なり。されども資金
枯渇のため、思うにまかせず。あと一万人の日本人を収容する資金として、金二千万円を....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
れまで幾多のキリスト教徒らがそこから科学的の教養を汲んでいたところの文化の源泉は
枯渇してしまったのである。 現代の回教国民その他の東方諸国民は、個人または国家....
「東京八景」より 著者:太宰治
り払ってしまった。もう何も売るものが無い。すぐには作品も出来なかった。既に材料が
枯渇して、何も書けなくなっていた。その頃の文壇は私を指さして、「才あって徳なし」....
「新釈諸国噺」より 著者:太宰治
青く痩せて、いたたまらぬ思いで、ただ金を使い、一年|経たぬうちに、底知れぬ財力も
枯渇して、国元からの使いが、もはやこれだけと旦那の耳元に囁けば、旦那は愕然として....
「ルクレチウスと科学」より 著者:寺田寅彦
、これは永久に適用さるべき科学方法論の解説書である。またわれわれの科学的想像力の
枯渇した場合に啓示の霊水をくむべき不死の泉である。また知識の中毒によって起こった....
「映画と生理」より 著者:寺田寅彦
うな場合もあるであろう。 それとほぼ同じようなわけで、もはや青春の活気の源泉の
枯渇しかけた老年者が、映画の銀幕の上に活動する花やかに若やいだキュテーラの島の歓....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
ころに、雨となり、雲となり……いや少し慎もう……竹となり、蘭となる。……情流既に
枯渇して、今はただ金慾、野を燎く髯だからね。向うの写真館の、それ「三大画伯お写真....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
幸福、無上の満足がその間に湧き出る。天地間の宝蔵は無限であるから、彼は毫も材料の
枯渇を患うるには及ばない。汲めども尽きぬ智慧の泉、採れども尽きぬ思想の宝、世にも....
「戦後合格者」より 著者:坂口安吾
る。そこで、これ一とまとめに教養化しなければ、すぐれた芸術は生れないというような
枯渇感や願望が起って「雲の会」などもおのずから出来たのであろう。 しかし芸術の....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
対する過信からだった。事実林さんは、もろ/\の破壊力とたゝかいながら、よく感性の
枯渇からまもり、いくつかの傑作をかいた。戦後の「雨」「晩菊」「浮雲」など、前期の....
「地上」より 著者:島田清次郎
学者の文章が古典として教科書に載せられてあるのを生徒に講義するときには、さすがに
枯渇した青年時代の熱情が甦ってくるような気がせぬでもなかった。 「R・Kがまだ二....
「美の日本的源泉」より 著者:高村光太郎
、此所に又別途の新らしい美を創り出した事は奇観である。芸術美が自然を離れれば必ず
枯渇して、足利期仏像のような瑣末形式のくり返しに陥り、一度び自然に眼が開けば必ず....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
オランダを、アイルランドに対比せしめて、次のように指摘した。イングランドの財源を
枯渇せしめている目下の宿痾は、アイルランドの反乱であるが、それを完全に掃蕩する唯....