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架上
「架上〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
架上の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「クララの出家」より 著者:有島武郎
は「眼をあげて見よ」というと同時に祭壇に安置された十字架聖像を恭しく指した。十字
架上の基督は痛ましくも痩せこけた裸形のままで会衆を見下ろしていた。二十八のフラン....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
月十七日)
炬燵
雪がまだ融けぬ。
夜、二畳の炬燵に入って、
架上の一冊を抽いたら、「多情多恨」であった。器械的に頁を翻して居ると、ついつり込....
「小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
く両陛下の御影を掲げつ。下りてかなたの一面には「成仁」の額あり。落款は南洲なり。
架上に書あり。暖炉縁の上、すみなる三角|棚の上には、内外人の写真七八枚、軍服あり....
「北氷洋の氷の割れる音」より 著者:寺田寅彦
明が上がっていた。イサーク寺では僧正の法衣の裾に接吻する善男善女の群れを見、十字
架上の耶蘇の寝像のガラスぶたには多くのくちびるのあとが歴然と印録されていた。 ....
「岡本一平論」より 著者:岡本かの子
もありました。また誰かに貰って来たローマ旧教の僧の首に掛け古された様な連珠に十字
架上のクリストの像の小さなブロンズの懸ったのを肌へ着けたりして居ました。 氏の....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
ことはできない。信ずべき根柢のある信仰と、信ずべき根柢のなき信仰とは、決して同一
架上のものではない。われ等はどこまでも、理性に向って訴えるものである。われ等がい....
「フランダースの犬」より 著者:菊池寛
しかしパトラッシュにもどうすることもできませんでした。 「キリストの昇天」「十字
架上のキリスト」この二つの名画の見物料を儲け出すことは、ネルロにとってもパトラッ....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
て出た歌だけを読まれても好し、忙しい諸氏は労働のあいま田畔汽車中電車中食後散策後
架上就眠前等々に於て、一、二首或は二、三首乃至十首ぐらいずつ読まれることもまた可....
「小春」より 著者:国木田独歩
詩集すら、わずかに二、三十巻しかないわが蔵書中にあってもはなはだしく冷遇せられ、
架上最も塵深き一隅に放擲せられていた。否、一月に一度ぐらいは引き出されて瞥見され....
「ナポレオンの遺書」より 著者:豊島与志雄
筈である。それを彼は遺書の中で、一言にして否認し去った。 「キリストはもし十字
架上に死ななかったならば神とならなかったであろう。」――「予は全世界より愛せられ....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
人間の真実を生かしたという点で、見事な勝利者であります。もし基督教徒が基督を十字
架上に仰ぐことによって真に人生の勝利者になったとすれば、われわれもまた朝倉先生を....
「少年連盟」より 著者:佐藤紅緑
衛して、左門洞にひきあげた、しかし道は平坦ではない、たんかは動揺した、そのたびに
架上のドノバンは、悲痛な呻吟をもらした、このうめきをきく富士男の心は、ドノバン以....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
ンと称す。なお、僧長というがごとし。 国教宗にては堂内に礼壇あり、その上に十字
架上のヤソ像と花瓶、燭台あり、別に説教席と読経席あり、毫もローマ宗の寺に異なるこ....
「ランプの影」より 著者:正岡子規
うこうじん》と変ってしもうた。荒神様が消えると耶蘇《ヤソ》が出て来た。これは十字
架上の耶蘇だと見えて首をうなだれて眼をつぶって居るが、それにもかかわらず頭の周囲....
「ロザリオの鎖」より 著者:永井隆
ない。人は死とともにあってのち復活の光栄を与えられるのである。 キリストは十字
架上に死んで葬られ、三日目に墓の中より復活し、さらに四十日ののち昇天して復活と昇....