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柊
「柊〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
柊の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「婦系図」より 著者:泉鏡花
顕れて活るがごとし。それでも鬼が来て覗くか、楽書で捏ちたような雨戸の、節穴の下に
柊の枝が落ちていた……鬼も屈まねばなるまい、いとど低い屋根が崩れかかって、一目見....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
いた。墓は思うにもまして哀れなものであった。片手でも押し倒せそうな小さい仮家で、
柊や柘植などの下枝に掩われながら、南向きに寂しく立っていた。秋の虫は墓にのぼって....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
がそこに続いていた。古い池のある方に近い木戸をあけて見せた。本陣の稲荷の祠が樫や
柊の間に隠れていた。 その晩、家のもの一同は炉ばたに集まった。隠居はじめ、吉左....
「親友交歓」より 著者:太宰治
った。 「やっぱり、でも、いい部屋だな。さすがに、立派な普請だ。庭の眺めもいい。
柊があるな。
柊のいわれを知っているか」 「知らない」 「知らないのか?」と得意に....
「風流仏」より 著者:幸田露伴
通人めらが間の周旋、浮れ車座のまわりをよくする油さし商売は嫌なりと、此度は象牙を
柊に易えて児供を相手の音曲指南、芸は素より鍛錬を積たり、品行は淫ならず、且は我子....
「黒い地帯」より 著者:佐左木俊郎
荷物を背負った父親は、お房を先に立てて、雪の中へどふどふと這入って行った。門口の
柊の株を右に曲って、二人の姿が見えなくなると、母親は、わあっ! と声を立てて泣き....
「戦時旅行鞄」より 著者:海野十三
すなあ」 金博士は、大真面目でいった。 窓からとびだした醤は、そのとき運悪く
柊の木の枝にひっかかり、顔も手足も血だらけにして歯をくいしばっていたが、金博士の....
「クリスマス・カロル」より 著者:ディケンズチャールズ
っている鈍児どもはどいつもこいつもそいつのプディングの中へ一緒に煮込んで、心臓に
柊の棒を突き通して、地面に埋めてやるんだよ。是非そうしてやるとも!」 「伯父さん....
「小公女」より 著者:菊池寛
。」 お誕生日の午後、セエラは着飾ったミンチン先生に手を引かれ、先頭に立って、
柊で飾られた教室に入って行きました。セエラのうしろには、『最後の人形』の箱を持っ....
「鬼を追い払う夜」より 著者:折口信夫
りません。唯豆を打つ場合に、「鬼は内、福は内、富は内」と唱える。其上、普通にする
柊と鰯とは、私の家ではしないと答えられたと言う事です。 此は言うまでもなく、家....
「金の十字架の呪い」より 著者:チェスタートンギルバート・キース
な青白い光りを持っている鉄の棒の様に走っていた。彼等の足下には硬い並んでいる草が
柊の芝生の中に折れ曲って灰色や黄色に砂の中に絡っていた。
柊から一歩か二歩の所で、....
「子規居士と余」より 著者:高浜虚子
て帰りに京極の牛肉屋で牛肉と東山名物おたふく豆を食った。 その翌々日余は居士を
柊屋に訪ねた。女中に案内されて廊下を通っていると一人の貴公子は庭石の上にハンケチ....
「妖怪学」より 著者:井上円了
例を挙ぐれば、狐火、流星、不知火、蜃気楼、および京都下加茂社内へ移植する木はみな
柊に変じ、尾州熱田に移養する鶏はみな牡鶏に化すというがごときは、物理的妖怪なり。....
「秋の修善寺」より 著者:岡本綺堂
いた。墓は思うにもまして哀れなものであった。片手でも押し倒せそうな小さい仮家で、
柊や柘植などの下枝に掩われながら、南向きに寂しく立っていた。秋の虫は墓にのぼって....
「古事記」より 著者:太安万侶
《きび》の臣等の祖先のミスキトモミミタケ彦という人を副えてお遣わしになつた時に、
柊《ひいらぎ》の長い矛《ほこ》を賜わりました。依つて御命令を受けておいでになつた....