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柏手
「柏手〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
柏手の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
》を着てやって来た。上座《かみざ》に坐ると勿体《もったい》らしく神社の方を向いて
柏手《かしわで》を打って黙拝をしてから、居合わせてる者らには半分も解らないような....
「家庭の幸福」より 著者:太宰治
に起きて、井戸端で顔を洗い、その気分のすがすがしさ、思わずパンパンと太陽に向って
柏手《かしわで》を打って礼拝するのである。老母妻子の笑顔を思えば、買い出しのお芋....
「二百十日」より 著者:夏目漱石
》の社《やしろ》までは漕《こ》ぎつけた。白木《しらき》の宮に禰宜《ねぎ》の鳴らす
柏手《かしわで》が、森閑《しんかん》と立つ杉の梢《こずえ》に響いた時、見上げる空....
「野分」より 著者:夏目漱石
》のなかへさし込んで立った姿を、下宿の二階窓から書生が顔を二つ出して評している。
柏手《かしわで》を打って鈴を鳴らして御賽銭《おさいせん》をなげ込んだ後姿が、見て....
「夢十夜」より 著者:夏目漱石
ぴちゃする。それが拝殿の前でやむと、母はまず鈴を鳴らしておいて、すぐにしゃがんで
柏手《かしわで》を打つ。たいていはこの時梟が急に鳴かなくなる。それから母は一心不....
「西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝」より 著者:三遊亭円朝
礼参りにまいりました。丁度十二月の三日の夕方でございます。薬師様のお堂へまいり、
柏手を打って頻りに母の眼病平癒を祈り、帰ろうといたしますと、地内に宮松という茶屋....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
はじまり、神酒、白米、野菜などが型のように故人の霊前に供えられると、禰宜の鳴らす
柏手の音は何がなしに半蔵の心をそそった。そこに読まれる千里の祭詞に耳を傾けるうち....
「家」より 著者:島崎藤村
行った。父忠寛は未だその榊の蔭に居て、子の遠い旅立を送るかのようにも見える、実は
柏手を打って、先祖の霊に別離を告げた。 お倉やお俊は主人の膳を長火鉢の側に用意....
「煩悩秘文書」より 著者:林不忘
た新しい一日の活動にはいろうとして。 ここ深川、富ヶ岡八幡の社前に、おごそかに
柏手を打ってしきりに何ごとか念じているのは、恋慕流しの宗七の妻、お多喜なので。 ....
「松の操美人の生埋」より 著者:三遊亭円朝
に拝まれてね」 兼「馬鹿アお云いな勿体ない」 馬「さア来た/\」 と本堂に上り
柏手をポン/\。 馬「いや
柏手じゃア無かった粗忽かしくッて宜い、南無妙法蓮華経/....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
一気に上って来ると、社の前に例の箱入りの名刀を供えて、二人とも跪《かしこ》まって
柏手《かしわで》を打ち、恭《うやうや》しく敬礼しました。 「南無飯綱大権現」 ....
「灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
った。そして、小さい時から、私達子供は神様のおかげで生きているとされ、毎朝毎夕、
柏手をうっていた。で、カトリックというものがどんなものだか知らず、きっと幼稚園の....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
の御出棺の日に、司馬道場、とんだ白鬼をよびこんでしまった――。
忍《しの》びの
柏手《かしわで》
一
子として、父の死を悼《いた》まぬものが、どこにあろ....
「銅銭会事変」より 著者:国枝史郎
て来た。 怪しの家怪しの人々 クルリと娘は拝殿へ向いた。ポンポンと二つ
柏手を打った。それからしとやかに褄を取った。と、境内を出て行った。 社の蔭に身....
「魔都」より 著者:久生十蘭
でどうやら運が向いて来た」
と叫ぶようにいうと、いきなり神棚に向ってポンポンと
柏手を打ったと伝えられる。
こういう経路を踏んで「唄う鶴の噴水」は夕陽新聞の特....