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柏餅
「柏餅〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
柏餅の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「真景累ヶ淵」より 著者:三遊亭円朝
《いそうろう》の悲しさで二階へ上《あが》って寝ますが、五布蒲団《いつのぶとん》の
柏餅《かしわもち》でもまだ寒いと、肩の処へ股引などを引摺込《ひきずりこ》んで寝ま....
「癩」より 著者:島木健作
《からかみ》を開けて見て、何かものを言いたげにしたが、そこに一枚のうすい布団を、
柏餅《かしわもち》にして寝ている太田の姿を見ると、ほっ、と驚いたような声をあげて....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
るたの会をやる。初|午には強飯を食わせる。三月の節句には白酒をのませる。五月には
柏餅を食わせる。手習の師匠であれば、たなばた祭もする。煤はらいには甘酒をのませる....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
、風邪《かぜ》を引かしちゃあ申訳ない、これでも掛けて上げましょうね。
自分が、
柏餅《かしわもち》になって、くるまっていた蒲団を、それでも、法印の寝すがたの上に....
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
わず、江戸ッ児の向上心を吾から引っ込み思案にしてしまう人の多いことで、吾儕は寧ろ
柏餅も鱈腹喰うべし、※もウンと頬張った上で、菖蒲酒の酔いもまわらば、菖蒲太刀とり....
「獄中記」より 著者:大杉栄
った安易さや、仲間のものとすぐ目と鼻の間に接近している心強さなどで、一枚の布団に
柏餅になって寝る窮屈さや寒さも忘れて、一、二度寝返りをしたかと思ううちにすぐに眠....
「獄中生活」より 著者:堺利彦
が、何ともいわれぬほどうれしく感ぜられる。 夜具はかなりに広いのが一枚、それを
柏餅にして木枕で寝るのだ。着物は夜も晝も同じものでただ寝るときには襦袢ばかり着て....
「売色鴨南蛮」より 著者:泉鏡花
言った。 「まだ、お寝ってです。」 起きるのに張合がなくて、細君の、まだ裸体で
柏餅に包まっているのを、そう言うと、主人はちょっと舌を出して黙って行く。 次の....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
々よき風味なり。向側の「かめや」にても十九日にはやはり青竹にて手すりをこしらえ、
柏餅《かしわもち》をその日ばかり売ります。エビス様の絵の団扇《うちわ》を客にだし....
「梵雲庵漫録」より 著者:淡島寒月
七 印地打が朝鮮渡来の風習だという事は前に言ったが、同じ節句の
柏餅も、やはり支那かもしくは印度あたりから伝えられたものであろう。というのは、今....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
《はなれ》。
足の踏み立て場もなくちらかしたまん中に、四布蒲団《よのぶとん》の
柏餅から毛脛を二本投げ出して、夜出歩く左膳はこうして昼眠っているのだ。
垢とあ....
「旅だち」より 著者:豊島与志雄
て家の風呂をわかして、菖蒲湯をたてようとか、粽《ちまき》はだめだとしても、せめて
柏餅だけは拵えたいとか、戦争もすんだこととて、古い武者人形を少し飾ってはどうだろ....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
たようなものは一種もないというところですが、ただ一つあります。それは毎年晩春の頃
柏餅に次いで売り出す葉桜餅です。これは主人が書いている通り、にわかの註文取消しか....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
にまた叩き交《ま》ぜて置いて、それから米利堅粉《めりけんこ》をお酒で捏《こ》ねて
柏餅の皮の様な皮を拵えて豚を包みます。それを食べる前によく蒸すのですが温かい処を....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
出て来ます。手へ少しメリケン粉をつけて今のジャガ芋を双方から押して展《の》ばすと
柏餅の皮のようになります。この工合が少し面倒ですけれども少し馴《な》れると何でも....