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柑橘類
「柑橘類〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
柑橘類の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「不尽の高根」より 著者:小島烏水
から流れているにもかかわらず、麓の高原は乾き切って、砂埃とゴロタ石の間に栽培した
柑橘類の樹木が、疎らに立っているばかり。それに比べると、夏の富士は、焙烙色に赭ッ....
「大和路・信濃路」より 著者:堀辰雄
つかしさで一ぱいになりながら、歩けるようになりたいともおもっているのだ。たわわに
柑橘類《かんきつるい》のみのった山裾をいい香りをかいで歩きながら、ああこれも古墳....
「旅の絵」より 著者:堀辰雄
かれ、或いは閉されている。多くの庭園には、大粒な黄いろい果実を簇《むら》がらせた
柑橘類《かんきつるい》や紅い花をつけた山茶花《さざんか》などが植わっていたが、そ....
「湯ヶ島の数日」より 著者:宮本百合子
に、鮮やかに紅葉したまま散りもせぬ蔦類。細かく風にそよぐ竹藪、蒼々とした杉木立、
柑橘類、大島椿。伊豆はよいところという感銘深し。日本のなごやかな錦の配色など――....
「台湾の姿態」より 著者:豊島与志雄
味はバナナにまさることは勿論であるが、マンゴーには及ばない。その代り、マンゴーや
柑橘類が季節的であるのに反して、パパイヤだけは一年中常に結実する。数顆が熟する頃....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
なってしまった。しかしそれは現実の恋であるよりも歌の上の恋であった。 香の高い
柑橘類。燃えるような丹椿。濃く、暖かい潮の色、海べの砂州と、嶋々の浦わ、尾道の自....
「姫柚子の讃」より 著者:佐藤垢石
数粒、小皿の上にあった。私は、それをなつかしく眺めた。 寒国である私の故郷は、
柑橘類に恵まれていなかった。姫柚子など、あろうはずがないけれど、私は姫柚子の味に....
「声と食物」より 著者:宮城道雄
差し支えないと思う。 また、私の経験によると、林檎のようなもの、レモンのような
柑橘類の少し熟したものを食べると、声のよく出ることがある。それも人によって違うか....
「或る少女の死まで」より 著者:室生犀星
かえってゆくところをよく想像したりした。 低い山畑に揉みついたように熟れている
柑橘類の烈しい芳醇な匂いに沁みた新しい空気や、そこを馳け廻る少女の姿などを描いて....
「特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ」より 著者:喜田貞吉
あげた「民族と歴史」の中にも書いてあります通り、枳殻や、柚子や、橙や、いろいろの
柑橘類が、みな温州蜜柑の接木によって、ことごとく温州蜜柑になってしまっているので....