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染物
「染物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
染物の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「婦系図」より 著者:泉鏡花
の鯛で、鯛は恵比寿が引抱えた処の絵を、色は褪せたが紺暖簾に染めて掛けた、一軒(御
染物処)があったのである。 廂から突出した物干棹に、薄汚れた紅の切が忘れてある....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
す」 「ははあ白絹を染めるんだな」 「はいさようでございます」 「綺麗でいいな、
染物屋は」 「綺麗でございますとも、
染物屋は」 「色々の色に染めるんだな?」 「....
「極楽」より 著者:菊池寛
京師室町姉小路下る
染物悉皆商近江屋宗兵衛の老母おかんは、文化二年二月二十三日六十六歳を一期として、....
「薬草取」より 著者:泉鏡花
す。乗合も何もない。 御存じの烈しい流で、棹の立つ瀬はないですから、綱は二条、
染物をしんし張にしたように隙間なく手懸が出来ている。船は小さし、胴の間へ突立って....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
葉ばかりぞ乱れたる。 途端に海のような、真昼を見た。 広場は荒廃して日久しき
染物屋らしい。縦横に並んだのは、いずれも絵の具の大瓶である。 あわれ、その、せ....
「物のいわれ」より 著者:楠山正雄
物のいわれ(下) ふくろうと烏 むかし、ふくろうという鳥は、
染物屋でした。いろいろの鳥がふくろうの所へ来ては、赤だの、青だの、ねずみ色だの、....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
明治二十年ごろの平均賃金が、大工、左官、石工などで二十二、三銭(日給)、船大工、
染物職などは十七銭、畳屋と経師屋などが二十一銭ぐらいで、一番高いのが、洋服仕立の....
「時 処 人」より 著者:岸田国士
出る多量の血を気にしながら、私の家まで送つてくれた。 その少女のことを、私は「
染物屋のチャーちやん」とだけしか覚えていない。 元日が元日らしいためには、どん....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
だのを取集めると、掌に余るほどあります。畑はかなり広いのでしたから、それを取って
染物をするのだなどといって、そこらを汚しては叱られたものでした。菖蒲じめという料....
「豆腐買い」より 著者:岡本かの子
提げのなかの豆腐にくぼみが出来たのをそのままにして向う横丁へ入ってお京さんの家を
染物屋で聞くと、直ぐわかった。竹垣の外にちゃぼひばのある平家で山田流の琴が鳴って....
「紫外線」より 著者:小酒井不木
おまた多くのアニリン色素は、紫外線に当たるときわめて美しい光を発します。それゆえ
染物の鑑定などにも紫外線は応用されるのであります。 なおまた同じ原理によって書....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
物を誂えるような塩梅で、時間なども気短かに区切って注文してあります。これで嵌るで
染物屋へ物を誂えると同じ調子で、人間の思慮や力量以上の大きな了見の仏菩薩に向って....
「海のかなた」より 著者:小川未明
足を引きずりながら、ある古びた町の中にはいってきました。 その町には、昔からの
染物屋があり、また呉服屋や、金物屋などがありました。日は、西に入りかかっていまし....
「エタ源流考」より 著者:喜田貞吉
細工人考」について見てもらいたい。 古え青屋もしくは藍染屋・紺屋などと呼ばれた
染物業者は、エタの仲間と認められておった。 「雍州府志」に、 首。 とある。こ....
「早稲田神楽坂」より 著者:加能作次郎
例の芸術座跡のアパートメントがあり、他に二、三の小さなカッフエや飲食店が、荒物屋
染物屋女髪結製本屋質屋といったような家がごちゃごちゃしている間にはさまり、更にま....