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「柘〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

柘の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
る。それから話し声や唄の声がする。最後に時々番台で鳴らす拍子木の音がする。だから榴口《ざくろぐち》の内外《うちそと》は、すべてがまるで戦場のように騒々しい。そ....
女体」より 著者:芥川竜之介
っている。その寝床についている部分は、中に火気を蔵しているかと思うほど、うす赤い榴《ざくろ》の実の形を造っているが、そこを除いては、山一円、どこを見ても白くな....
さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
うに眩《まばゆ》く日の光を照り返している海面と、船に積んだ無花果《いちじゅく》や榴《ざくろ》の実と、そうしてその中に坐りながら、熱心に話し合っている三人の紅毛....
三つの宝」より 著者:芥川竜之介
しょうか? 王子 何、すぐに帰って来る。土産には何を持って来てやろう。イタリアの榴か、イスパニアの真桑瓜か、それともずっと遠いアラビアの無花果か? 主人 御土....
少年探偵長」より 著者:海野十三
わからない。おそらく、綱は棒からはなれて、博士はまっさかさまに谷底へついらくし、榴のようにはじけていたかも知れないのだ。 しかし、さいわい、仙場甲二郎の注進....
貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
て、道中、道すがら参詣した、中山の法華経寺か、かねて御守護の雑司ヶ|谷か、真紅な榴が輝いて燃えて、鬼子母神の御影が見えたでしゅで、蛸遁げで、岩を吸い、吸い、色....
軍用鼠」より 著者:海野十三
う。うむ今のところ、まだ大丈夫である) 若き二人の抱き合っている傍には、大きな榴の樹があって、枝にはたわわに赤い実がなっている。その間を早や起きの蜂雀の群が....
木の子説法」より 著者:泉鏡花
、骨なし子の血を吸う音が、舞台から響いた。が、子の口と、母の胸は、見る見る紅玉の榴がこぼれた。 颯と色が薄く澄むと――横に倒れよう――とする、反らした指に―....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
、眦に紫の隈暗く、頬骨のこけた頤蒼味がかり、浅葱に窩んだ唇裂けて、鉄漿着けた口、榴の舌、耳の根には針のごとき鋭き牙を噛んでいたのである。 四十三....
縷紅新草」より 著者:泉鏡花
の谷を一つ隔てた、向うの山の中途に、鬼子母神様のお寺がありましょう。」 「ああ、榴寺――真成寺。」 「ちょっとごめんなさい。私も端の方へ、少し休んで。……いい....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
とくるか、凄いぞ、さては曲者だ。」 と、気競って振返ると、髑髏が西日に燃えた、榴の皮のようである。連れて見返った、竹如意が茶色に光って、横笛が半ば開いた口の....
梵雲庵漫録」より 著者:淡島寒月
は評判が好くて長続きした。半身肌脱ぎになって首から上へ真白に白粉を塗って、銭湯の榴口に見立てた板に、柄のついたのを前に立て、中でお湯を使ったり、子供の人形を洗....
荘子」より 著者:岡本かの子
荘子は「無心の効能」に思い入りながら少女を顧みた。少女は侍女の一人から半塊の榴を貰って種子を盆の上に吐いていた。それを喰べ終ると壮漢に伴われ次の部屋へ廻り....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
山の奥の幽なる中に、五色の蔦を見る思があります。ここに、生りもの、栗、蜜柑、柿、榴などと、蕪、人参、花を添えた蔓の藤豆、小さな西瓜、紫の茄子。色がいいから紅茸....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
びない妙手であった。 椿岳は余り旅行しなかった。晩年大河内子爵のお伴をして俗に植黙で通ってる千家の茶人と、同気相求める三人の変物|揃いで東海道を膝栗毛の気散....